ゲーム見本市「GDC2024」、米サンフランシスコで開催
(米国、日本)
サンフランシスコ発
2024年04月08日
ゲーム開発関連ツールやサービスを対象とするゲーム見本市の「ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)2024」が3月18~22日、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催され、業界関係者やゲーム開発者などがネットワーキングや情報収集を行った。
GDC2024では、1,000人以上のスピーカーによる約730のセミナー、ワークショップ、ネットワーキングイベントが開かれ、主催者によると、前年(2023年3月1日記事参照)より2,000人多い、3万人を超える関係者が来場した。新型コロナウイルス禍以前の2019年まで主にロサンゼルスで20年以上開催され続けてきた大規模なゲームイベント「エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3)」の終了が2023年12月に発表されたこともあり、より多くの参加者がGDCに来場していると話す出展者もいた。
主催者によると、出展者は500社を超え、GDC期間中に開催された最新のゲーム開発ツールやサービスを展示する「GDC Expo」(3月20~22日)にはエピックゲームズ、テンセントゲームズ、メタ、ユニティテクノロジーズなど米国や中国の大手企業のほか、Web3.0分野のスタートアップやインディーゲーム開発者の出展も多数みられた。
GDC2024では、XR(注1)ゲームの企画・開発・運営を手掛けるキャラクターバンク(京都府)がジャパンパビリオンの運営を手掛け、VRゲーム関連の日本のスタートアップ企業5社とジェトロが参加した。来場者はVRゴーグルをつけて、開発中のゲーム作品などを体験した。同社代表取締役の三上航人氏は「日本で作ったゲームを多くの方に知ってもらえただけでなく、今後にも期待してもらえるコメントも多くいただくことができた」と出展の手応えを語った
ジェトロはジャパンパビリオン内にブースを設け、Steam(注2)上に設けた日本ゲーム特集ページ「MADE IN JAPAN GAMES MARKET」をPR。また、ブース内にSteam上の日本のゲームの一部が体験できるコーナーも設置した。体験した来場者からは、「日本のゲームはストーリーが面白く、クオリティーも非常に高い。ぜひSteamで日本のゲームを購入したい」という声が聞かれた。さらに、海外パブリッシャー(注3)向けには、B2Bプラットフォーム「Japan Street」(注4)を紹介したほか、イベント会期の午後からは日本酒の試飲を提供するイベントも開催し、ブースは多くの来場者でにぎわった。
日本以外では、イタリア、カナダ、カナダのケベック州、スイス、スペイン、ドイツ、米ニューヨーク州、パキスタン、ベルギー、ブラジル、フランスなどの国・地域がそれぞれのパビリオンを設置し、大々的に自国のゲーム産業・企業をプロモーションしていた。
次回はサンフランシスコで2025年3月17~21日の開催を予定している。
(注1)エクステンデッド・リアリティー、またはクロス・リアリティーと呼ばれる、現実世界と仮想世界をつなぐVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(代替現実)技術の総称。
(注2)米国のバルブ社が運営するPCゲームなどの販売・購入やゲームユーザー同士の交流が可能なオンラインプラットフォーム。
(注3)主にゲームの企画・販売を行う会社で、海外のゲーム作品の翻訳などローカライズした上で地場の市場で販売することもある。
(注4)海外のバイヤーやディストリビューターとの商談・取引機会の創出を目的に、コンテンツ作品を含む日本の企業・商品情報を掲載したオンラインカタログサイト。ジェトロが招待したバイヤーのみが閲覧可能。
(長洲諒、伊藤優一)
(米国、日本)
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