「米国より中国を選択」が上回る、ASEAN調査

(ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム)

シンガポール発

2024年04月03日

シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所(旧・東南アジア研究所、以下ISEAS〕は4月2日、ASEAN加盟10カ国の識者などを対象とした調査結果報告書「The State of Southeast Asia: 2024 Survey Report外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。

同調査によると、ASEANが中国か米国のいずれかと同盟を結ぶことを余儀なくされた場合、「中国を選ぶべきだ」と回答した割合が50.5%と半数を超えた。前回調査(2023年公表)では「中国」と回答した割合は38.9%だった。「中国」の回答者を国別にみると、マレーシアが75.1%で最も高く、インドネシア(73.2%)、ラオス(70.6%)が続いた。マレーシア、インドネシア、ラオスの3カ国では、前回調査と比べて「中国」と回答した割合が、マレーシアとラオスでは20ポイント以上、インドネシアでも20%ポイント近く伸びた。ISEASは報告書において、これら3カ国が「中国の一帯一路構想と強固な貿易・投資関係から大きな恩恵を受けている」と指摘した。

東南アジアで経済的に最も影響力が大きい国・地域機関を選択する質問では、「中国」を挙げた割合が前回調査に引き続き最も高かった(前回:59.9%→今回:59.5%)。「ASEAN」(15.0%→16.8%)、「米国」(10.5%→14.3%)、「日本」(4.6%→3.7%)が続いた。「ASEAN」と「米国」は前回調査から回答割合が拡大した一方で、日本のほか、EU(4.2%→2.8%)、英国(1.3%→0.8%)、インド(0.7%→0.6%)、オーストラリア(2.7%→0.5%)では回答した割合が低下した。

政治・戦略上の影響力を問う質問でも、「中国」(41.5%→43.9%)と回答する割合が前回調査に引き続き最も高かった。「米国」(31.9%→25.8%)、「ASEAN」(13.1%→20.0%)などが続く。「中国」「ASEAN」や「日本」(1.9%→3.7%)と回答した割合が増加した一方で、「米国」や「EU」(4.9%→3.4%)、「韓国」(1.7%→1.4%)、「英国」(1.1%→0.9%)、「オーストラリア」(3.0%→0.5%)、「インド」(0.9%→0.4%)を挙げた割合は縮小した。

同調査はISEASが毎年実施しているもので、今回で6回目。今回発表された最新の調査は、ASEAN加盟10カ国の学術界・シンクタンク・研究機関、産業、市民社会組織・メディア、政府、地域・国際機関の関係者などを対象に、1,994人から回答があった。調査期間は、2024年1月3日から2月23日まで。

(朝倉啓介)

(ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム)

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