ウクライナとチェコ結ぶ新たな国際列車が運行開始

(ウクライナ、チェコ、オーストリア)

ワルシャワ発

2024年04月01日

国営ウクライナ鉄道は3月28日、ウクライナとチェコを結ぶ新たな国際列車が運行を開始したと発表した。この新規路線は、ウクライナ鉄道とチェコの民間旅客列車運行会社レギオジェットとの協力により実施し、チケットの購入はレギオジェットのサイトからオンラインで可能。

この新規路線は、チェコの首都プラハを午後9時52分に発車し、スロバキア第2の都市コシツェを経由、スロバキアとハンガリーとの国境に近いウクライナの都市チョープに翌日午前10時35分に到着するRJ1201号と、チョープを午後5時35分に発車し、コシツェ経由、プラハに翌日午前5時46分に到着するRJ1020号からなる。所要時間は前者が11時間43分、後者が13時間11分で、両方とも毎日運行する。

同列車が開通するまでは、ウクライナとチェコを結ぶ直通の国際列車は存在せず、ポーランドのプシェミシル、またはスロバキアのコシツェで乗り換えるルートが一般的だった。

また、ウクライナ鉄道は3月11日、オーストリアとウクライナとの間のチケットのオンライン販売を3月18日から開始と発表した。購入はウクライナ鉄道のアプリを通じてのみ可能で、キーウ(キエフ)とウィーンを結ぶ直通列車のチケット購入については、ウクライナ政府が開発したディーア・アプリ(注)による認証が必要となる。また、ウクライナとハンガリーを結ぶ列車のチケット購入も、今後はオンラインで可能になる予定(ウクライナ公共放送「ススピリーネ」3月11日)。

3月現在でウクライナ全土に対しては、日本の外務省の危険情報はレベル4の退避勧告が発令されている。その中で同省は2月19日に「ウクライナへの渡航制限の特例措置」を公表した。同省の海外安全ホームページのウクライナの危険情報の中で「ウクライナの復旧・復興に寄与する企業・団体の取組等として、真にやむを得ない事情でキーウに渡航する必要がある場合には、渡航の必要性及び緊急性、所属企業や団体等の指示に基づく組織としての必要かつ十分な安全対策を準備した上で、渡航の2週間前までに、外務省窓口に相談してください」との注釈がついた。

(注)ディーア(Diia)は、ウクライナ政府の行政電子化のために開発されたモバイルアプリやウェブポータルのブランドで、2020年にリリースされた。このアプリによりウクライナ国民は、スマートフォン上のデジタル文書を個人識別や共有を目的として使用することができる。

(柴田哲男、坂口良平、柴田紗英)

(ウクライナ、チェコ、オーストリア)

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