英国貿易救済庁、中国からの有機被覆鋼に関する移行レビュー開始

(英国、中国)

ロンドン発

2024年04月17日

英国貿易救済庁(TRA)は4月15日、中国から輸入される有機被覆鋼(対象製品外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に対するアンチダンピング(AD)措置と補助金相殺関税措置に関する移行レビュー(注)を同日開始したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。TRAによると、これらは主に建設分野をはじめ、金属製家具、暖房・換気ダクト、ケーシング、家電製品などの耐久性を維持するために使用されている。

現在のEU加盟時から継続して適用しているAD関税率は5.9%から26.1%の間で、補助金相殺関税率は13.7%から29.7%となっている。これらの措置で影響を受ける可能性のある企業は4月30日までに同調査に対して意見を提出することができる。

鋳鉄製品へのAD措置、延長決定

また、TRAは4月4日、TRAが取りまとめた、中国から輸入される鋳鉄製品へのAD措置を5年間延長する最終提案書をビジネス・通商省が受け入れたことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは、2022年11月からTRAが実施した移行レビューの結果、2018年から適用している当該措置について、廃止した場合に国内産業への損害が発生すると判断したため、延長を提案したもの。なお、当該製品へのAD関税率は15.5%から38.1%。

(注)EU離脱後から継続しているAD措置、補助金相殺関税措置など現行の貿易救済措置が英国市場に適しているかを評価し、措置の変更、修正、終了などを検討する。

(奈良陽一)

(英国、中国)

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