三菱商事、米ルイジアナ州での直接空気回収(DAC)事業に参画

(米国、日本)

ヒューストン発

2024年04月18日

三菱商事は4月16日、米国のルイジアナ州立大学(本部:ルイジアナ州バトンルージュ)、ヒューストン大学(本部:テキサス州ヒューストン)およびシェルUSガス・アンド・パワー(本社:テキサス州ヒューストン)がルイジアナ州で検討を進めている直接空気回収(DAC)事業への参画を決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたと発表した。

本事業は、最先端のDAC技術を活用して大気中の二酸化炭素(CO2)を回収し、ルイジアナ州を中心とした地域に地下貯留するもので、将来的にCO2換算年間約100万トンの炭素除去を目指している。

三菱商事は、大幅なコスト削減が見込まれるDAC技術の実証を進めつつ、DAC技術会社への資金拠出などを通じ、DAC事業の早期商業化を目指すとしている。また、将来的には、回収したCO2の一部を合成メタン(e-methane)や持続可能な航空燃料(SAF)など同社が取り組む合成燃料の原料として活用することや、DAC事業の他地域での展開も視野に入れている。

米国エネルギー省は2023年8月、本プロジェクトを含む19件の初期段階のDAC事業における実現可能性調査や基本設計調査に対し、総額約9,900万ドルを支援すると発表したほか、テキサス州およびルイジアナ州において、年間約100万トンの大気中のCO2の回収を目指す2つの大規模DAC事業をインフラ投資雇用法(IIJA)に基づく地域DACハブとして指定し、総額約12億ドルを支援すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。

併せて三菱商事は、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、米国のセンプラ・インフラストラクチャー(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)と共同で、e-methaneをメキシコ湾岸で製造・液化し、国際的に輸送するサプライチェーン確立に向けた共同検討を進めている(2023年9月4日記事参照)。

(深石晃)

(米国、日本)

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