ボルド・ナ・モナとSSEリニューアブルズ、陸上風力発電所に10億ユーロを投じる計画を発表

(アイルランド)

ロンドン発

2024年04月10日

アイルランドの国営再生可能エネルギー(再エネ)企業ボルド・ナ・モナと英国再エネ企業SSEリニューアブルズの2社は3月28日、アイルランドにおいて最大800メガワット(MW)の陸上風力発電所の建設を目指すパートナーシップの締結を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。陸上風力発電所の建設に今後10年間で10億ユーロ以上を投じ、45万世帯以上の家庭に電力が供給可能となる試算だ。今回のパートナーシップは、同国最大規模の陸上風力発電共同事業の1つとなる。

ボルド・ナ・モナは、コンペを通じて、同社が所有する土地に風力発電所を共同建設するパートナーとして、SSEリニューアブルズを選定した(「アイリッシュ・タイムズ」紙3月28日)。同パートナーシップの事業には、既に開発計画が進められている3つのプロジェクト(中部のオファリーのレマナハン風力発電所、南部のティペラリーのリトルトン風力発電所、中部のリーシュとオファリーの境界のギャリーヒンチ風力発電所)が含まれており、これらの3プロジェクトから合計約250MWの再エネ電力を供給する見込み。

ボルド・ナ・モナは、元々アイルランドの沼地の泥炭を活用するために設立され、エネルギー、廃棄物管理などの事業に進出。同国全域、特に中部地方に広大な土地を所有している。SSE リニューアブルズは、ロンドン証券取引所に上場しているスコットランドの電力大手SSEの傘下にあり、アイルランドでは電気とガスの供給会社としてもっともよく知られている(「アイリッシュ・タイムズ」紙3月28日)。

今回のパートナーシップでは、ボルド・ナ・モナは各プロジェクトに自社所有の土地を提供し、SSEリニューアブルズは各発電所の計画許可取得と送電網接続の費用を負担する。その後、両社は各プロジェクトコストを折半するとされている(「アイリッシュ・タイムズ」紙3月28日)。

アイルランド政府は、将来に向けて持続的かつ強靭(きょうじん)なエネルギーシステムを構築するため、2030年までに国内で使用される電力の80%を再エネで生産する野心的な目標を設定している。

(松丸晴香、尾関康之)

(アイルランド)

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