ウクライナ、モジュール式橋梁を新たに18基受領

(ウクライナ)

ワルシャワ発

2024年04月03日

ウクライナ国家復興インフラ開発庁(復興庁)は3月22日、世界銀行のRELINC(最重要物流インフラ、交通網の復旧)プロジェクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの枠組みで、12基のモジュール式橋梁(きょうりょう)を受領したことを発表した。残りの6基は今後数週間以内にウクライナに到着する予定。これらは戦争で橋梁が破壊された場所に設置される。

これら18基の総全長は713メートルで、米国のアクロー・コーポレーション・オブ・アメリカ製。契約の総額は2,330万ドルで、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)のウクライナ事務所が橋梁システムの購入と納品を行った。

復興庁のムスタファ・ナイエム長官は、国際パートナーの継続的な支援に感謝するとともに、「モジュール式橋梁は物流の重要な要素で、占領から解放された地域の交通網の回復や、各種物品の配達、その他の国家の重要なニーズを満たすことができるようになる」と述べた。

ウクライナは2022年12月以降、モジュール式橋梁をスウェーデンから6基、チェコから18基、ノルウェーから10基、米国の民間慈善財団から9基受領している。また、フランスからは仮設橋梁を3基引き渡されたほか、フィンランドは仮設モジュール式橋梁を含む支援パッケージを準備している。

ウクライナ政府、世界銀行、欧州委員会、国連は2月14日、共同で最新版の被害・ニーズ調査(RDNA3)を公表した。それによると、ロシアによる侵攻以降、290以上の道路橋と83の鉄道橋が被害を受けた。161の橋梁は、モジュール式橋梁を含むパートナー国からの支援などによって復旧したものの、今後10年間のウクライナの復興・復旧ニーズとして、道路橋だけでも依然として約81億ドルが見込まれている。

橋梁分野では、2024年2月の日・ウクライナ経済復興推進会議で、ウクライナ復興庁と日本の大手重工業メーカーIHIが「ポータブルパネル橋設置事業」に関する覚書を締結した。

(柴田哲男、坂口良平、柴田紗英)

(ウクライナ)

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