2月後半~3月の経済活動はわずかに増加、米シカゴ連銀ベージュブック

(米国)

シカゴ発

2024年04月19日

米国連邦準備制度理事会(FRB)が4月17日に公表した地区連銀経済報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、2月後半から3月にかけての同地域の経済活動について、全体的にわずかに(slightly)増加したと報告した。関係者は引き続き、今後1年間の消費需要は同様の増加率になると予想している。

同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用は控えめに(modestly)増加した。関係者は今後1年間も同程度の増加率を予想しているが、労働市場の冷え込みを引き続き指摘した。賃金と諸手当はともに緩やかに(moderately)上昇したが、賃金上昇圧力は幾分和らいでいるという報告もあった。

個人消費は報告期間中、全体的にわずかに(slightly)増加した。自動車以外の小売売上はわずかに増加したが、3月の売り上げ増は根本的な需要の伸びというよりも、むしろ、前年より早く訪れたイースター(復活祭、注3)に関連している可能性があるという指摘もあった。

企業支出はわずかに(slightly)増加した。設備投資はわずかに増加し、関係者からはソフトウエアの購入の報告があった。投入資材の不足に関する報告はほとんどなかったが、一部の関係者は電気部品の不足を指摘し、重機の関係者は、スエズ運河経由の出荷量が減少しているため、一部の投入資材が不足していると述べた。

製造業の需要は全体的に横ばい(flat)となった。自動車販売台数と大型トラック販売台数はともに横ばいで、関係者は大型トラックの売り上げは今後12カ月間ほとんど伸びないと予想した。

同地区での2024年の農家所得の見込みは、農作物、畜産物生産者全体ではほとんど変化はなく、2024年の収入は2023年の水準を下回ると引き続き予想した。トウモロコシと大豆の価格は、農家の作付け数が当初より少なくなると予想される中、わずかに上昇した。

地域社会の状況については、地域社会、非営利団体、中小企業関係者は、経済活動には変化が見られなかった(little changed)と報告した。州政府関係者の報告によると、消費税収入は前年同期比で若干減少した。

個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。

(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表されており、銀行からの報告やビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。

(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。

(注3)イースター(復活祭)の日は年によって異なる。2023年の感謝祭は4月9日で2024年は3月31日。

(星野香織)

(米国)

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