イスラエル軍の空爆で米NGOスタッフ7人死亡、英米首脳がイスラエル首相と電話会談

(イスラエル、パレスチナ、英国、オーストラリア、ポーランド、米国、カナダ)

テルアビブ発

2024年04月05日

パレスチナ自治区ガザ地区などで食料の海上輸送活動を行っている米国の慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」(2024年3月18日記事参照)は44日、ガザ地区で活動していた人道支援従事者7人が4月1日のイスラエル国防(IDFによる攻撃で死亡したことを公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。死亡した7人の国籍は、英国人3人、オーストラリア人、ポーランド人、米国とカナダの二重国籍者、パレスチナ人が各1人だとしている。WCKによると、3台の車両が標的となり、WCKの車両であることが示されていたという。また、イスラエル当局はWCKスタッフの行程やルート、人道的任務を把握していたとしている。

画像 WCKスタッフ7人の死亡に関するWCKのX(旧Twitter)でのコメント画面

WCKスタッフ7人の死亡に関するWCKのX(旧Twitter)でのコメント画面

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は4月2日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「残念なことに、先日、ガザ地区でわが軍が意図せずに非戦闘員に危害を加えるという悲劇的な出来事があった。われわれは徹底的な調査を行い、再発防止に全力を尽くす」と述べた。

英国のリシ・スナク首相は4月2日、ネタニヤフ首相と電話会談を行った。英首相官邸外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、「英国は、イスラエルが人道援助に対する制限を撤廃し、国連や援助機関との対立を解消し、民間人を保護し、病院や水道網のような重要なインフラを修復するために、直ちに行動を起こすことを求めている」と述べた。

米国のジョー・バイデン大統領も4月4日にネタニヤフ首相と電話会談を行った。ホワイトハウス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、バイデン大統領は「イスラエルが民間人の被害、人道的苦痛、人道支援従事者の安全に対処するため、具体的かつ測定可能な一連の措置を発表し、実施する必要性がある」とした上で、「これらの措置に関するイスラエルの即時の行動に対するわれわれの評価によって、ガザに関する米国の(今後の)政策は決定される」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、英国、オーストラリア、ポーランド、米国、カナダ)

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