スロバキアとウクライナの政府合同会議を開催、復興へスロバキア企業参与にも言及

(スロバキア、ウクライナ)

プラハ発

2024年04月18日

スロバキアとウクライナは4月11日、スロバキア東部のミハロフツェで政府合同会議を開催し、両国間の外交や経済協力に関する協議を行った。

スロバキアのロベルト・フィツォ首相は、ロシアのウクライナ軍事侵攻は「明白な国際法違反」として、ウクライナへの支援と連帯の必要性を強調した。また「ウクライナの領土の一体性、主権を尊重し、ウクライナにとって公正な平和的解決策が見いだせることを望む」と述べた。軍事支援に関しては「スロバキアは商業ベースで協力する用意がある」として、政府レベルでの軍事支援は停止する(2023年11月24日記事参照)が、民間レベルでは支援を継続する意向を明らかにした。

フィツォ首相はまた、ウクライナのEU加盟に全面的に支援すると約束した。ウクライナのデニス・シュミハリ首相は感謝の意を表明した。

経済関係では、エネルギー部門に焦点が当てられた。両国は、2028年末までにウクライナのムカチェボとスロバキアのベリケー・クプシャニ(ともに両国国境近くに位置する町)の間で送電を行う国際連系線の整備を完成させることで合意した。シュミハリ首相は、完成後はスロバキア~ウクライナ間の電力の輸出入がさらに活発化し、両国のエネルギー安全保障上重要な役割を果たすことになると述べた。両国は原発燃料調達先の多様化を進めることを目的とした合同ワーキンググループも結成する。

シュミハリ首相はウクライナでの地雷除去用の機器共同生産の可能性にも言及した。また、ウクライナの戦後復興にスロバキア企業が参与することを期待するとし、「(2024年)秋にはウクライナ・スロバキア・ビジネスフォーラムを開催し、投資の可能性を見いだしたい」と述べた。

両国はこのほか、ウクライナの首都キーウとスロバキア東部コシツェ間の鉄道連結、国境検問所の近代化などについても協議した。

会談後の記者会見で両首相は「スロバキアとウクライナの互恵的協力の達成に大きな進展がみられた」などと、満足の意を表明した。

(中川圭子)

(スロバキア、ウクライナ)

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