タイ・韓国経済連携協定、2024年中にも交渉開始へ

(タイ、韓国)

バンコク発

2024年04月12日

タイのプームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼商務相は3月28日、タイ商務省貿易交渉局(DTN)と韓国産業通商資源部の代表者の間で、タイ・韓国経済連携協定(EPA)の策定に向けた付託条項(TOR)が署名されたことを明らかにした。2024年中にも正式に第1回交渉が開始される見通しで、交渉妥結は2025年末から2026年初にかけてと目される。

タイと韓国の間には既に、ASEAN韓国FTA(AKFTA)と地域的で包括的な経済連携(RCEP)協定が存在するが、タイの現政権が進める自由貿易協定(FTA)拡大政策の一環として、新たに韓国とEPAを構築する。特にEPAに基づく経済連携の強化が期待されているのは、電気自動車(EV)・同部品や情報技術産業に関わる韓国企業の対タイ投資の拡大だ。加えて、サプライチェーンやデジタル経済など、両国が関心を共有する新興分野でも協力を深める。

物品の対韓輸出でEPAの恩恵を受けそうなタイの品目としては、肉製品・水産品(冷凍鶏肉・鶏肉加工品、冷凍魚介類・魚肉加工品)、果物類(マンゴー、グアバ、マンゴスチン)、小麦粉・ソース・調味料、木製品、化学製品などが想定されている。

タイにとって韓国は12番目に大きい貿易相手国で、2023年のタイの対韓輸出額は60億7,000万ドル、対韓輸入は86億6,600万ドルだった。主な輸出品目は石油製品、ゴム製品、砂糖、集積回路、アルミ製品など。輸入品目は鉄鋼製品、集積回路、化学製品、機械・同部品など。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、韓国)

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