ブリュッセルでホタテなど日本産海産物の商談会・試食会を実施

(ベルギー、日本)

ブリュッセル発

2024年03月21日

ジェトロは3月11日、ベルギー・ブリュッセルで、ホタテを中心とした日本産海産物のイベントを実施した。卸し・レストラン関係者向けの商談会と、現地メディア関係者やインフルエンサー向けの試食イベントの2部構成で実施した。

商談会では、ホタテのほか、宮城県塩釜市産のカツオのたたき、アオサノリを紹介。ベルギーの中級以上のレストランでは、地産地消や季節性・旬に重点を置いた食材を選定する動きもみられる中、冷凍輸入のホタテをレストラン関係者に試食してもらった。関係者は「食感も良く、天然の甘さが感じられる」と感想を述べ、加水処理されていない点や素材の滋味を保つ冷凍技術の高さを評価した。カツオのたたきについては「あぶられた表面の質感と、刺し身の新鮮な風味・食感の組み合わせが面白く、素材の良さが生きている」などの声が聞かれた。卸事業者はベルギーの消費者にも受け入れられる可能性は十分にあるとし、今後の仕入れに関心を示した。

メディア向け試食会では、オランダの日本産海産物の輸入事業者Hokkai Suisanが運営するレストランの大田原邦佳シェフと、ブリュッセルのミシュラン2つ星レストラン、ラ・ヴィラ・ロレーヌのイブ・マターニュ・シェフが、日本産ホタテを使用した料理をそれぞれ提供した。大田原氏は生のホタテをスライスし、酢みそで素材本来の味や食感を味わえる一皿を提供。シーフード料理を得意とするマターニュ氏は、かんきつ系(ベルガモットリキュール、ユズ、コブミカンなど)の風味と、ココナッツの甘さを組み合わせた独創的な料理を提供した。マターニュ氏はホタテの質の高さを評価するとともに、表面を軽くあぶることで生の部分とのコントラストが生まれ、甘さと食感が際立つと述べた。

東日本大震災の発生から13年を迎えたこの日、ジェトロのイベント後には、欧州連合日本政府代表部と在ベルギー日本大使館が東北産食品などの日本食レセプションも開催した。EUの日本産食品の輸入規制が2023年に全廃された(2023年7月18日記事参照)ことを受けて、海産物のほか、和牛や日本茶、日本酒など日本産食品を広く紹介した。飲食業界関係者やメディアなど約300人が参加し、日本食などを提供する現地レストランが料理を振る舞うなどした。

写真 大田原氏によるホタテの酢みそあえ(ジェトロ撮影)

大田原氏によるホタテの酢みそあえ(ジェトロ撮影)

写真 マターニュ氏によるホタテの創作料理(ジェトロ撮影)

マターニュ氏によるホタテの創作料理(ジェトロ撮影)

写真 料理を提供したマターニュ氏と大田原氏(ジェトロ撮影)

料理を提供したマターニュ氏と大田原氏(ジェトロ撮影)

(山田泰慎)

(ベルギー、日本)

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