2023年の直接投資額は前年比5割減、ビジネス環境に課題

(ガーナ)

アクラ発

2024年03月15日

ガーナ投資促進センター(Ghana Investment Promotion Centre: GIPC)は2023年の第4四半期(10~12月)報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、同国の2023年(1~12月)の直接投資額(認可ベース)は6億4,958万ドル、案件数は122件だったと発表した。前年の13億5,341万ドル、211件に比べ、金額、案件数ともに4割以上の大幅な減少で、過去5年でも最も低い数値となった(2023年9月19日記事参照)。なお、2023年の直接投資案件122件のうち86%を占める105件は、首都アクラが位置するグレーターアクラ州に集中している。

セクター別投資では、製造業が50件の2億7,603万ドル(前年比20.5%減)と最も多く、続いて、サービス業が43件の2億2,350万ドル(61.3%減)、貿易・流通・小売業が18件の1億1,209万ドル(48.9%減)だった。

国別の投資では、中国が2億1,189万ドル(全体の32.6%)、31件(25.4%)と金額、案件数ともに最も多かった。投資金額では、2位がトルコ(1億7,327万ドル)、3位がインド(7,327万ドル)、案件数では2位が米国(14件)、3位がインド(13件)と続く。日本はいずれも上位10カ国には入っていない。

在ガーナ英国商工会議所が1月に発表した2023年のガーナのビジネス環境・競争力に関する調査レポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、16業種690件を超えるビジネス関係者へのアンケート調査の結果、2023年の調査では72%が「ガーナのビジネス環境が他国より遅れている」と回答し、2022年の47%、2021年の40%から大きく悪化した。特に評価が低かった項目(かっこ内は「非常に悪い」「悪い」を選択した回答率)は、汚職(75%)、政府による輸出やマーケティングなどの国際貿易に係る支援(63%)、良質な交通インフラの利用可能性(63%)、資本コスト(62%)、税政策(58%)で、ビジネス環境の課題が多く見受けられた。一方で、同レポートには、2023年のガーナのBMI(注)の貿易・投資リスク指数は西アフリカで2位(2022年は1位)との記載があり、西アフリカの中では依然として投資環境はよいとされている。特に評価が高かったのは(かっこ内は「非常に良い」「良い」を選択した回答率)、通信設備の利用可能性(36%)、労働力の入手可能性(33%)、水や電気の入手可能性(それぞれ29%、28%)だった。

(注)フィッチ・ソリューションズの傘下企業で、貿易・投資リスク指数をはじめとする投資関連のデータ、分析などを提供するリーディングカンパニー。

(数実奈々)

(ガーナ)

ビジネス短信 ee10be09eb6f433e