水素分野のIPCEI国家補助、ドイツは約46億ユーロに

(ドイツ、EU)

デュッセルドルフ発

2024年03月06日

ドイツ連邦経済・気候保護省は2月15日、欧州委員会が同日に「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで承認した水素インフラ整備に関するプロジェクト群「Hy2Infra」(2024年2月22日記事参照)について、ドイツのプロジェクトの詳細を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。「Hy2Infra」は水素に関するIPCEIとしては、2022年の水素技術開発に関する「HyTech」、産業界での水素活用に関する「Hy2Use」に続く第3弾となる。

「Hy2Infra」では、ドイツを含む7加盟国が共同申請しており、中小企業を含む32社が33のプロジェクトを行う。国などからの公的な補助総額は最大69億ユーロで、54億ユーロの追加の民間投資が期待される。うちドイツのプロジェクト数は24で、公的な補助総額は約46億ユーロ、民間企業の投資は約34億ユーロが見込まれる。公的な補助部分は、一部のプロジェクトを除き、全体の7割を連邦(国)、3割はプロジェクトを所管する州が負担する予定。

ロベルト・ハーベック経済・気候保護相は記者会見で「Hy2Infraの一連のプロジェクトは、ドイツや欧州における水素普及の重要な土台となる」として、今回のプロジェクトの重要性を強調した。

ドイツの経済紙「ハンデルスブラット」(2月16日)では、各地で水素プロジェクトが動き始めている点や、課題として、これまで承認されたプロジェクトの多くがいまだに最終投資決定に至っていない点を報じた。

(作山直樹)

(ドイツ、EU)

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