2月貿易収支は187億ドル赤字も、輸出は約12%増と今年度最大の伸び

(インド)

ムンバイ発

2024年03月26日

インド商工省(MoCI)が3月15日に発表した「貿易統計」(速報値)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2月の貿易収支(サービスを除く)は187億1,000万ドルの赤字で、40カ月連続の貿易赤字となった(添付資料図参照)。2024年2月の輸出額(サービスを除く)は414億ドルで、前年同月比で11.86%増加し、年度最大の伸び率となった。輸入額についても601億1,000万ドルと、12.19%増になった。

輸出額の内訳をみると、電子製品の29億9,794万ドル(前年同月比54.8%増)、有機・無機化学品29億5,162万ドル(33.0%増)、医薬品25億1,332万ドル(22.2%増)、エンジニアリング製品99億4,137万ドル(15.9%増)などが前年同月より大きく金額を伸ばし、輸出額全体を押し上げた。

輸入額では、銀17億2,547万ドル(前年同月比133.3倍)、金61億5,031万ドル(2.3倍)、電子製品69億4,395万ドル(23.2%増)などの増加が目立ち、輸入額の大幅増加につながった。一方、輸入額全体の4分の1以上を占める石油製品・原油は168億9,069万ドルで0.04%増と変動が小さかった。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、世界経済の鈍化によりインドの対外輸出は苦境に立たされてきたが、2024年2月の輸出額は前年同月比で大幅に拡大した。他方、金利引き締めによるEU経済の鈍化や、紅海周辺での船舶攻撃に伴う世界的な物流の混乱など、経済リスクには引き続き注意が必要だ。

(丸山春花)

(インド)

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