2月の自動車生産も前年同月比で減少続く、資本取引規制による調達部品不足との報道も

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年03月15日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は3月5日、2月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数は前月比65.6%増となったものの、前年同月比では19.0%減の3万7,491台だったと発表した。前年同月比生産台数の減少基調は2023年12月から継続している(添付資料図1参照)。輸出台数は前月比54.1%増、前年同月比1.6%減の2万3,584台だった(添付資料図2参照)。1~2月の累計輸出台数を仕向け地別にみると、ブラジル(シェア73.0%)と中米(9.9%)向けが好調だった(添付資料表参照)。

ADEFAは、前年同月比で生産台数が減少した要因として、2月の操業日数が前年に比べて5日間少なかった点を指摘している。また、今後の見通しをより正確に分析するには、まず3月までの第1四半期(1~3月)の動き全体をみる必要があるとし、引き続き政府と産業界が手を取り合い、自動車産業の競争力の強化に取り組んでいく方針だとしている。

他方で、3月5日付の現地紙「エル・クロニスタ」(電子版)では、2月の生産台数が減少した最大の理由として、ゼネラルモーターズ(GM)、フォルクスワーゲン、ルノー、日産の国内工場での部品などの不足による生産ライン停止を報じている。その背景には、資本取引規制により、いまだに多くの自動車メーカーが国外サプライヤーに対し、未払いの輸入代金を抱えているという問題が存在する。

2月の自動車の国内販売(新車登録)台数について、アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)は3月1日、前月比27.4%減、前年同月比18.4%減の2万4,240だったと発表した(添付資料図3参照)。ACARAのセバスティアン・ベアト会長は「消費者の購買力が低下していることで、自動車販売は大幅に鈍化しており、2024年上半期中は同様の傾向が続くだろう。しかし、下半期からは経済が回復に向かうとの分析もあるので、中期的には状況が改善すると期待している」と語った。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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