ホーチミンでアパレルファブリックス&繊維関連技術専門見本市「VIATT 2024」初開催

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2024年03月19日

ベトナム南部ホーチミン市で2月28日~3月1日、ベトナム国際アパレルファブリックス&繊維関連技術専門見本市「VIATT 2024」が開催された。同見本市は、中国・上海で開催された服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」の主催者のメッセフランクフルト香港とベトナム貿易振興庁(VIETRADE)の共催で、ベトナムで初開催となった。3日間の会期で55の国・地域から延べ1万7,262人が来場した。パビリオンを設置した日本をはじめ、中国、香港、インド、インドネシア、ドイツなど17の国・地域から409社が出展した。現地法人を含む日本企業の出展は、繊維メーカーや繊維商社、繊維機械メーカーなど19社だった。

WTOが2023年7月末に発表した「世界貿易統計レビュー2023」によると、2022年の衣料品の輸出世界1位は中国(輸出額1,820億ドル、シェア31.7%)、次いでEU(1,560億ドル、27.1%)、国単体では2位がバングラデシュ(450億ドル、7.9%)、3位がベトナム(350億ドル、6.1%)だ。ベトナムは前年比13%増と、主要輸出国の中で同27%増のバングラデシュの次に大きい増加幅だった。一方、ベトナムはテキスタイルの輸入国としても、国単体では世界2位(190億ドル、5%)となり、3位のバングラデシュ(150億ドル、3.9%)と同様、原材料については輸入に依存している状況が示されている。2月23日にホーチミン市で開催された同見本市の記者会見で、VIETRADEのレ・ホアン・タイ副局長は、ベトナムの繊維・衣料品の輸出は世界経済の低迷や多くの市場の在庫過多により、2023年は9%以上減少して403億ドルになったと述べた。しかし、今後の世界経済とベトナム国内市場の見通しは明るいとし、2024年は440億ドルの輸出目標を設定している(ベトナム・ニュース2月25日)。

「VIATT 2024」主催事務局の日本担当窓口のメッセフランクフルトジャパンによると、日本製の生地は高価格帯のものが多く、ベトナム内販を狙った日本製の生地販売の事業拡大が急激に進むわけではないが、ベトナムでの今後のビジネスの可能性を考えて出展している企業が多い。また、ベトナムが締結している経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)を活用して、欧米向けへの輸出拡大を検討している企業もあると述べた。

出展した日本企業からのコメントは次のとおり。

  • 繊維製造・販売メーカー:これまで日本市場向けの販売をメインとしていたが、ベトナム市場向けの販売拡大が見込まれ、在ベトナムの日本企業から、糸・生地を現地調達したいという要望が多くある。また、差別化された素材の開発も期待されており、在ベトナムの日本企業と連携して、欧米やアセアン地域など海外市場向け販売も強化したい。
  • 繊維製造・販売メーカー:中国向け内販は増加しており、中国での生産は減らしていないが、サプライチェーンを強化するため、ベトナムと中国の二本立てでの生産を検討している。
  • 繊維機械メーカー:これまでベトナムのビジネスで生地メーカーや商社とのつながりがなかったが、今回の出展で関係構築ができ、情報交換につながった。

次回のVIATTはホーチミン市で2025年2月26~28日に開催される予定だ。

写真 VIATT会場内の様子(ジェトロ撮影)

VIATT会場内の様子(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

(新田和葉)

(ベトナム、日本)

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