ニュルンベルクでオーガニックコスメの国際見本市ビバネス開催

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2024年03月08日

ドイツ南部バイエルン州ニュルンベルクで、202421316日の4日間にわたり、オーガニックコスメの見本市「ビバネス(VIVANESS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が開催された。世界最大級の規模を誇るオーガニック食品をテーマとした国際見本市「ビオファ(Biofach)」(202438日記事38日記事参照)に併設された。ドイツ国内外の数多くの出展者によるブースでは自然派化粧品とウェルネス関連製品が紹介された。特設会場では美容、健康に関するディスカッションや専門家によるフォーラムなどが開催された。

写真 ビバネスの会場の様子(ジェトロ撮影)

ビバネスの会場の様子(ジェトロ撮影)

ドイツでは近年、消費者のサステナブル・エシカルな商品に関する意識が高まっており(2023年4月25日付地域・分析レポート参照)、展示会でもこうしたポリシーを掲げる企業の活躍が目立っていた。プラスチック容器やプラスチック削減のため、固形のシャンプーやボディソープ、木製歯ブラシが定番化しつつある。

ビバネスを訪問することに関し、ジェトロと情報交換などを実施してきた、鹿児島のナチュラルコスメ企業「ボタニカルファクトリー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の黒木靖之代表は、「ヨーロッパのコスメ企業は、全体的にエコロジカル、サステナブルな事項に関する意識が高い。プラスチックフリーがナチュラルコスメの容器としてスタンダートになりつつあり、プラスチックを使用する場合は再生プラスチックに拘っている」とコメントする。

同展示会で黒木代表は、イタリアのオーガニックコスメ企業のエヌアンドビー(N&B外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と商談を行なった。エヌアンドビーから、自社農場で栽培するハーブやアロエといった原料や、一般的には廃棄される落葉したオリーブの葉を超微粉砕したスクラブの説明を受け、「われわれの工場でも、市場に出せない規格外品のフルーツをコスメの原料にしている。コスメ産業に、地産素材を生かした農業連携をはじめ、フードロス、エコロジカルな取り組みを生かした企業概念が似ている」と意気投合していた。またベルリンでは、オーガニックコスメの品ぞろえが豊富なショップを視察し、「日本ではまだオーガニックコスメの価格が高いイメージがあるが、ドイツでは良心的な価格で販売されラインナップも充実している」「今回のビバネスとビオファ、欧州視察を通して、ゆくゆくは本場の欧州市場向けに商品を販売していきたいという気持ちが高まった」とコメントしていた。

写真 エヌアンドビーのジャンカルロ・スコルダーリ氏と、ボタニカルファクトリーの黒木代表(ジェトロ撮影)

エヌアンドビーのジャンカルロ・スコルダーリ氏と、ボタニカルファクトリーの黒木代表(ジェトロ撮影)

次回のビバネスは、2025年2月11~14日にニュルンベルクで開催の予定。

(西村明子、小菅宏幸)

(ドイツ、日本)

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