ビジネス・イノベーション・エキスポ開催、金融機関やスタートアップが議論

(英国)

ロンドン発

2024年03月25日

英国・ロンドンで3月13~14日、ビジネス・イノベーション・エキスポが開催された。同イベントは、政府系金融機関英国ビジネス銀行(BBB)などがスポンサーとなり、政府系機関や投資家、企業、スタートアップなどが集まり、イノベーションに関するセミナーやネットワーキングセッションを行った。出展者は300社超、来場者は約1万人。

3月13日に行われた、イノベーションを通じたスタートアップと企業の成長をテーマにしたパネルディスカッション(パネル)では、BBBのミッドランズ・北部イングランド・ディレクターのソフィー・デイル・ブラック氏が司会を務めた。同氏は、イノベーションの重要性と多様性、企業のイノベーション促進のための資金確保の必要性を説明したほか、イノベーションはテック業界に限らず、あらゆる分野のビジネスにおいて不可欠だとした。さらに、特に気候テック、ライフサイエンス、人工知能(AI)の3分野の企業からの融資の申し込みが増えており、革新的な技術を駆使している英国スタートアップが増加傾向にあると感じているとした。スタートアップ向けに資金融資を行うバージン・スタートアップのサミュエル・レハーン運営責任者もパネルに参加。スタートアップを評価する際のポイントとして、ビジネスプランや特色、市場理解と参入の可能性、ローンの返済能力を挙げた。一方、同社から見た英国のスタートアップ動向については飲食業やウェルネス分野が大きな割合を占めているとコメントした。

BBBが支援したスタートアップとして、低アルコール技術を開発したクォーター(Quarter)、および廃棄物処理のビニット(Binit)もパネルに参加。両社とも、イノベーション活性化のための官民投資の必要性を強調した。クォーターは、革新的な技術の場合は製品開発によるコストが高く、第三者の支援が必要だと説明した。ビニットは、地方部である英国南西部エクセターに拠点を置くため、投資活動が集中しているロンドンへのアクセスのコストが高いとコメント。BBBは地方部の起業家支援のためのファンドを複数設けており、ビニットもその1つである南西サウスウェスト投資ファンドを利用していると紹介した。

写真 パネルの様子(左からバージン・スタートアップ、クォーター、ビニット、BBBの登壇者)(ジェトロ撮影)

パネルの様子(左からバージン・スタートアップ、クォーター、ビニット、BBBの登壇者)(ジェトロ撮影)

写真 BBBのブース(ジェトロ撮影)

BBBのブース(ジェトロ撮影)

(チャウジュリー・クリシュナ、ジャマール・アミナ)

(英国)

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