同性婚認める法案、ギリシャ議会で可決

(ギリシャ)

ミラノ発

2024年03月25日

同性婚を認める法案が2月15日、ギリシャ議会で可決され、翌16日に異性および同性カップルの婚姻の平等に関する法案が発効した。

これにより、民法で規定する婚姻成立の条件が「婚姻は異性または同性の2人の間で成立する」と改正され、同性婚を合法化した。同時に、同性カップルによる子供の養子縁組も認められ、子供の姓の決定や育児休暇、社会福祉給付などさまざまな項目で、同性婚者と異性婚者間で差別がないことが明確化された。

ギリシャでは2015年に、性別を問わずに成人同士の同居の合意を規定する同居契約制度が法律で可決され、以後、国内で同性カップルの共同生活が社会的に認知されるようになったが、キリスト教正教会の信者が多数を占める国で同性婚が法的に認められたのは今回が初めて。

キリアコス・ミツォタキス首相は今回の法改正に関して「1つの障壁が取り除かれ、自由な市民が暮らす自由な国家での共存の架け橋となるだろう」と述べた。

今回の法改正は、ギリシャ議会で国粋主義的な性質を持つ3政党〔ギリシャの解決策(ELLINIKI LISI)、スパルタンズ、勝利(NIKI)〕のほか、与党内でも元首相のアントニス・サマラス議員を含む多くの議員が反対し、賛成票を投じないという混乱を招いた。

最終的に法案には議員300人のうち175人が賛成し、可決されたが、77人は反対、46人は棄権し、残り2人は白紙票という結果だった。

(井上友里)

(ギリシャ)

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