ジェトロ、上海市でRCEP実務講座を開催
(中国)
上海発
2024年03月08日
ジェトロは2月26日、在中国・上海日系企業の地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の原産地規則に対する理解促進を図るため、「RCEP実務講座およびアドバイザーセミナー」を開催した。上海市国際貿易促進委員会(以下、CCPIT上海)の協力を得て、原産地ワーキンググループメンバー、かつ原産地証明書の発給資格を持つ李蒙氏から、「RCEP原産地規則および原産地証明書の実務」をテーマに講義が行われた。RCEP原産地証明書の正しい申請方法や申請時の留意点などが紹介され、累積(ACU)規定についても事例を用いて解説した。企業からの原産地証明書の発給に関する質問に対して李氏は、オンラインで行う場合、CCPIT上海の営業時間内であれば1~2時間程度と短時間で行うことができ、費用も発生しないと回答した。
セミナー後半では、ジェトロ上海アドバイザーの福田和俊氏が、中国進出日系企業が現地で事業を行う際に直面する課題や、それらの解決方法について経験と実例を基に紹介した。現地日系企業は、本社との連携体制の構築、事業の縮小や撤退などの困難に直面しており、福田氏は、各企業が抱える問題を洗い出し、解決に向けてアドバイスができる対面での面談実施の必要性をあらためて強調した。同セミナーには、27社の在上海日系企業が、対面で参加した。
なお、CCPIT上海は、貿易投資の自由化・利便化促進を主に行っており、中国企業と海外企業との積極的な交流・協力基盤の構築に注力し、中国企業による対外投資と外資系企業の中国進出サポートといった両側面からサービスを提供している。また、CCPIT上海の貿易投資促進部に属しているビジネス環境整備対応チームでは、外資系企業が抱える問題や意見をタイムリーに収集し、上海市政府の関連部門とともに課題解決に努めている。
(陸姿音)
(中国)
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