成長著しい米アリゾナ州を日系企業が視察、現地政府・企業と交流しビジネス環境の理解深める

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2024年03月01日

成長著しい米国アリゾナ州のビジネス環境の調査を目的とした日系企業による視察プログラムが22223日に開催された。同プログラムは在ロサンゼルス日本総領事館が主催し、アリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority)、アリゾナ州の投資誘致機関のフェニックス都市圏経済協議会(Greater Phoenix Economic Council)、ジェトロが共催した。プログラムは初日に現地政府や企業によるセミナー、2日目に現地企業などを視察するバスツアーという構成で行われ、セミナーには日系企業から約80人、バスツアーには約50人が参加した。両日夜にはそれぞれレセプションも開催され、初日は約100人、2日目は約200人が参加し、現地の政府や企業と交流を深めた。

初日のセミナーではまず、アリゾナ商業公社とフェニックス都市圏経済協議会の地域概況説明があり、2020年以降、アリゾナ州が半導体投資額で全米第1位であることや、50年以上カリフォルニア州シリコンバレーで開催されてきた世界最大規模の半導体関連の展示会セミコンウェストが2025年にアリゾナで開催されることなどを紹介した。その後、ファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)アリゾナのブライアン・ハリソン社長が事業内容やアリゾナ州での投資状況に関して説明した。現地進出日系企業や現地自治体によるパネルディスカッションもあり、参加者に進出のアドバイスや、自治体ごとのプログラムを説明した。

写真 初日のセミナー(ジェトロ撮影)

初日のセミナー(ジェトロ撮影)

2日目のバスツアーでは、米国半導体大手インテルや、半導体製造後工程のパッケージングなどを行うアムコー・テクノロジーなどを訪問するとともに、全米最大の学生数を誇るアリゾナ州立大学の半導体研究開発施設を見学した。インテルでは、事業内容やサステナブル分野の取り組みなどが説明され、「先端技術に関しては日本への期待も大きい」という話もあった。バスツアーの最後には、経済産業省通商政策局米州課の藤井亮輔課長が日米経済関係や米国大統領選について講演した。質疑応答も活発で、米国を巡る情勢の関心の高さがあらためて感じられた。

写真 インテル訪問時の様子(ジェトロ撮影)

インテル訪問時の様子(ジェトロ撮影)

写真 アリゾナ州立大学の施設を見学(ジェトロ撮影)

アリゾナ州立大学の施設を見学(ジェトロ撮影)

写真 バスツアーの参加者(ジェトロ撮影)

バスツアーの参加者(ジェトロ撮影)

今回のプログラムを通して、参加者からは、「昨今話題となっているアリゾナ州に関心を持っていたため、今回のプログラムに参加したが、このように具体的に誰がどこで何をやっているかといった情報はオンラインでは得られず、非常に有意義だった」「自分たちだけでは今回接した企業などにアプローチすることは困難なため、大変ありがたい。今回の交流をビジネスに生かしていきたい」といった声が聞かれるなど、参加者はアリゾナ州のビジネス環境に対する理解を深めていた。

(堀永卓弘)

(米国、日本)

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