長電科技、米大手半導体傘下の晟チョウ半導体を買収
(中国)
上海発
2024年03月13日
半導体後工程を請け負う中国大手の江蘇長電科技(以下、JCET)が3月5日、米国の大手半導体企業であるWestern Digital Corporation(以下、WD)傘下の晟碟(チョウ)半導体(上海)の株式80%を買収すると発表した。
発表によると、株式の取得価格は約6億2,400万ドルで、買収取引完了後、売り主であるWD傘下のSANDISK CHINA LIMITEDは晟碟半導体の20%の株式を保有する。
JCETは江蘇省江陰市に設立された企業で、主に集積回路の製造、設計シミュレーション、技術開発、製品認証、半導体後工程のモールド封止・検査などを手掛けている。中国国外では、韓国とシンガポールに製造拠点や研究開発センターを設立している。2023年第1半期~第3半期の売上高は204億3,000万元(約4,086億円、1元=約20円)だった。
晟碟半導体は、2006年に上海市閔行区で設立された。事業内容は主に、フラッシュメモリ製品の研究開発(R&D)、半導体のパッケージングおよびテストを行う。主な製品はSD、MicroSD、iNANDフラッシュメモリモジュールなどだ。
世界半導体市場統計(WSTS)によると、世界の半導体市場においてメモリは全体の28%を占めており、2024年のメモリ市場規模は1,300億ドルに達する見込みだ。また、NAND型フラッシュメモリの市場規模はメモリ市場全体の約40%を占め、2021年から2027年までの年平均成長率は8%と予測されている。JCETは、晟碟半導体の買収により、NAND型フラッシュメモリ市場への参入拡大を図っているとみられている。
(宋青青)
(中国)
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