中国の2023年の空港旅客数、2019年の約9割の水準に

(中国)

調査部中国北アジア課

2024年03月28日

中国民用航空局は3月20日、2023年の中国の航空市場についてまとめた「2023全国民用運輸空港生産統計公報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。公報によると、2023年の中国の空港旅客数は延べ12億5,977万人で、前年比約2.4倍となった。新型コロナウイルス禍前の2019年以来初めて10億人を上回り、2019年の旅客数の93.2%の水準まで回復した。

路線別にみると、国内線の旅客数は前年比約2.3倍の延べ12億1,245万人で、2019年の旅客数とほぼ同水準だった。国際線は前年比約12.8倍の延べ4,732万人となったが、2019年の34%の水準にとどまった。

空港別にみると、旅客数の最も多い空港は広州白雲国際空港で、前年比約2.4倍の延べ6,317万人、2位は上海浦東国際空港で、前年比約3.8倍の延べ5,448万人、3位は北京首都国際空港で、前年比約4.2倍の延べ5,288万人と続いた。

貨物路線の動向をみると、中国全国の航空貨物取扱量は前年比15.8%増の1,683万トンとなり、2019年の98.4%の水準まで回復した。そのうち国内線は前年比30.6%増の968万トンで、2019年の90.9%、国際線は前年比0.5%増の716万トンで、2019年の110.8%の水準となった。

2024年の「春運」期間の航空旅客数、新型コロナ前の2019年の記録超える

中国民用航空局は3月6日、春節(旧正月)期間中の航空需要に関する統計を発表した。それによると、「春運」(注)期間中の全国の航空旅客数は累計延べ8,345万人で、2019年の春運と比べて14.5%増と、過去最高の記録となった。

同局によると、春節期間中の旅行需要については、海南省などへの避寒旅行や、黒龍江省ハルピン市などへのスノーツーリズムの需要が大幅に増加し、これらの地域への航空路線の搭乗率が高水準となった。また、交通機関や観光施設の整備が進んだことに伴い、人気の観光地を避けて中小都市に旅行する観光客が増えているという。国際線については、タイやマレーシア、日本、韓国といった周辺国・地域への旅行需要が旺盛と分析している。

(注)春節前後に合わせて交通需要の拡大する期間を指し、国家発展改革委員会が春節前後の計40日間を「春運」期間として指定し、関係機関が拡大する交通需要に備える。2024年は1月26日から3月5日が「春運」の期間とされた。

(廣田瑞生)

(中国)

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