ウクライナ、日本から新たに発電機とソイルアーマー受領

(ウクライナ、日本)

ワルシャワ発

2024年03月29日

ウクライナのエネルギー省は3月20日、ウクライナ・ガス輸送オペレーター(OGTSU、注1)と住友商事、国際協力機構(JICA)が提供する発電機とソイルアーマー〔鉄線で編んだ蛇篭(じゃかご)〕を受け取ったことを発表した。6.5キロワット(kW)~160kWの発電機は、バックアップ電力提供のために、OGTSUの施設に輸送される。1,800個のソイルアーマーは、ウクライナの複数地域のOGTSU施設に設置される。

ヘルマン・ハルシチェンコ・エネルギー相は「日本からのエネルギー分野への継続的な支援は、ウクライナのエネルギーインフラの復旧にとって極めて重要」と述べるとともに、ウクライナに対する日本の揺るぎない立場と支援だとして感謝の意を表明した。

OGTSUのドミトロ・リッパ社長は、日本の支援はウクライナ全土の同社施設の安定的な運営・保護に貢献するとのコメントを出した。

日本はロシアによるウクライナ侵攻以降、エネルギー分野で継続的な支援を行っている。1月7日には、ウクライナを訪問した上川陽子外相とハルシチェンコ・エネルギー相との会談で、日本政府がウクライナに大型変圧器7基の輸送支援とガスタービン5台の供与をすることを表明。また、同日のエネルギー省のプレスリリースによると、日本政府と国連開発計画(UNDP、注2)は、これまでにウクライナの国家機関や緊急救助機関に1,200台の発電機と1,000台の非常電源バンクを提供したほか、JICAを通じて500台の発電機と6台の移動電源車を提供した。

2月19日に東京で開催された日・ウクライナ経済復興推進会議では、住友商事、川崎重工業、OGTSUの3者間で、ウクライナのガスコンプレッサーステーション近代化に関する共同検討の覚書が締結された。

(注1)ウクライナの天然ガス輸送システムのオペレーター。ウクライナと欧州間でガス輸送を行う。

(注2)日本政府はUNDPウクライナ事務所にとって最大の政府拠出国で、2022年以降、総額1億6,940万ドルの資金を提供している。

(柴田哲男、坂口良平、柴田紗英)

(ウクライナ、日本)

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