香港、1月の小売売上高は前年同月比0.9%増

(香港)

香港発

2024年03月13日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は3月1日、2024年1月の小売売上高(速報値)を前年同月比0.9%増の365億1,800万香港ドル(約6,938億円、1香港ドル=約19円)(添付資料図参照)と発表した。14カ月連続で前年同月比プラスとなった。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比20.9%減の23億5,900万香港ドルで、小売売上高全体の6.5%を占めた。

品目別にみると、増加幅が最大だったのは「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比25.2%増の55億4,200万香港ドルとなった。「その他消費財」を除いて次に増加幅が大きかったのは「衣類、靴および関連製品」で、2.8%増の44億400万香港ドルだった(添付資料表参照)。

一方で、減少幅が最大だったのは「燃料」で、前年同月比14.5%減の7億9,300万香港ドルと、10カ月連続でマイナスになった。また、「耐久消費財」は12.8%減の52億9,600万香港ドル、「食品、酒類飲料、たばこ」(注1)は8.0%減の35億5,500万香港ドルとなった。

業態別にみると、「スーパーマーケット」(注2)は、前年同月比9.3%減の43億5,500万香港ドルだった。「百貨店」は9.2%減の27億7,100万香港ドルと減少した(添付資料表参照)。

香港政府報道官は1月の小売売上高について、「引き続き前年同月比で増加したが、春節の時期が前年と異なったため(注3)、増加ペースは緩やかとなった」と述べた。同報道官は今後の見通しについて、「観光客の継続的な増加とメガイベントの開催が、小売業界に恩恵を与えるとみられる。家計所得の上昇や香港政府の消費活性化策も小売業を下支えするだろう」との見方を示した。

香港小売管理協会の羅振邦(ボンド・ロー)執行総監は、「2024年の春節期間中に148万人が来港し、一部の小売事業者の売り上げは増加した。しかし、2018年の同期間と比較すると売上高は小売業界全体で20~30%減少している」と指摘した。加えて、2018年比でみた中国本土客の消費力低下の要因について「中国本土からの観光客の来港目的が文化に触れる(体験型)観光に変わり、ショッピングの優先順位が低下したことが要因」とコメントした(「信報」3月2日)。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(注3)2023年の春節連休は1月22日から1月25日まで、2024年は2月10日から13日までだった。

(横田覚)

(香港)

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