第4四半期のGDP成長率は前期比0.3%、低成長継続も通年では1.5%

(ベルギー)

ブリュッセル発

2024年03月04日

ベルギー国立銀行(NBB)は2月28日、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率を前期比0.3%(季節調整済み)と発表した(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。2023年は4期連続で前期比0.5%を下回る低成長となった(添付資料表参照)。

同四半期のGDP(前期比)を需要項目別にみると、民間最終消費支出は、耐久財の消費に支えられ、0.5%増だった。政府最終消費支出は、前期のマイナス0.1%から2.0%増となった。3期連続で2.0%以上の成長を続けてきた企業投資は、主に船舶の売却に起因し、前期の2.7%増から一転して大きく減少し、マイナス8.5%、住宅投資は3期連続のマイナス成長となってマイナス2.7%。公共投資はプラスを維持したものの、前期から0.2ポイント減少し、0.5%増だった。これを受け、国内総固定資本形成は前期の1.6%増からマイナスに転じ、マイナス6.5%となった。財貨・サービスは、輸入が前期比マイナス1.2%と減少した一方で、輸出が前期比で横ばいを維持したことにより、純輸出がGDPを1.1ポイント押し上げた。

産業別にみると、建設業が1.0%増、サービス業は0.6%増でプラス成長を維持したが、工業(建設業を除く)は前期の0.5%減からさらに後退して0.8%減と、2022年第4四半期(10~12月)から5期連続でマイナス成長となった。

ベルギーの通年のGDP成長率は、新型コロナウイルス感染拡大からの回復基調がみられた2022年の3.0%から(2023年3月2日記事参照)、2023年は1.5%と減速したものの、プラス成長を維持した。

2023年のGDP成長率を需要項目別にみると、民間最終消費支出は前年比1.4%増となり、経済成長を牽引した。政府最終消費支出は前年比0.4%増、国内総固定資本形成は、企業投資(6.3%増)と公共投資(2.4%増)が好調だった一方、住宅投資(5.7%減)がマイナス成長となったことで、3.3%増となった。輸出・輸入はそれぞれ前年比3.3%減、2.8%減で、純輸出はGDPを0.5ポイント押し下げた。

産業別にみると、サービス業では、「金融・保険業」を除いてプラス成長で、2.6%増と成長を支えた。建設業は前年の2.4%減から、1.9%増とプラス成長となった一方で、工業(建設業を除く)は前年の0.7%増からマイナスに転じ3.1%減となった。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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