四川省、新エネルギー商用車普及に向けた措置を発表

(中国)

成都発

2024年03月07日

中国の四川省経済・情報化庁や四川省生態環境庁など4部門は2月28日、「四川省新エネルギー中型・重型商用車の応用普及に向けた措置(2024~2027年)」(以下、措置)を発表した。同措置では、公共サービス用車、物流配送車、工事現場や空港などにおける作業車を新エネルギー車に切り替えさせるほか、2027年までに同省の重型商用車に占める新エネルギー車の割合を10%に引き上げ、新たに導入する公共バスの90%以上は新エネルギー車とする目標を掲げている。

具体的には、火力発電、鉄鋼、石炭、セメントなど重点分野での輸送車両の管理規定に沿った新エネルギー中型・重型トラックの普及を促進し、二酸化炭素(CO2)排出量ゼロを目指す物流ルートである「物流園区」構築の取り組みを加速させる。また、生産ラインの自動化、スマート化、コア部品の国産化によって、新エネルギー商用車の生産コストを削減し、販売競争力の向上を図るとしている。四川省内の高速道路では、新エネルギー中型・重型商用車に対する通行料金の割引を実施することなどを定めている。

四川省は新エネルギー商用車の普及に力を入れており、同省の国営企業である四川能投節能環保投資と中国重汽集団成都王牌商用車(以下、重汽成商)は2023年11月3日、合作協定協議を締結した。双方は、新エネルギー資源、公共サービス用車運用、水素エネルギー産業における技術などを生かしながら、共同で伝統的な重型トラック、清掃車、現場作業車を新エネルギー商用車に切り替えるとしている。また、新エネルギー産業で広域的な連携を図り、コスト削減による生産性および競争力を向上させるとした。重汽成商の王美賢董事長は「四川省で100台の新エネルギートラックと公共サービス用車を導入する見込みだ。このような取り組みによって二酸化炭素の排出量を10万トン削減することができ、同省の脱炭素社会実現目標に貢献する」と表明した。

(王植一)

(中国)

ビジネス短信 698070f973c94582