2月の米ISM製造業景況感指数は47.8に低下、非製造業は52.6、雇用面はいずれも軟調

(米国)

ニューヨーク発

2024年03月07日

米国サプライマネジメント協会(ISM)は3月1日に2024年2月の製造業景況感指数を、3月5日に2024年2月のサービス業(非製造業)景況感指数を発表した。

2月の製造業景況感指数は、47.8と前月(49.1)より1.3ポイント低下した。ブルームバーグによる市場予想は49.5で、予想外の下落となった。

項目別にみると、前月に基準値の50を上回っていた生産(48.4)、新規受注(49.2)はともに再び50を下回った。ただし、ISMは「6大セクターのうち4セクター(金属加工製品、化学製品、輸送機器、コンピュータ・電子製品)が新規受注の増加を報告しており、2023年12月から始まった需要の改善傾向を反映している」と説明しており、回復基調にあるとの見解を示した。実際、入荷遅延については50.1と、景況感指数の算出に用いられる全5項目の中で唯一50を上回っており、生産に比して需要が強い状況を示しているほか、在庫についても前月より減少し、今後の新規受注と生産にプラスの影響を及ぼしそうだ。

他方、雇用については、45.9と前月(47.1)からさらに低下し、低調だ。ISMは、調査回答者の多くがレイオフや採用凍結を行っていること、6大セクターのうち2月に雇用を拡大したのは輸送機器だけだったことを指摘している。

今回のISM製造業景況感指数の結果などを受けて、アトランタ連銀が発表しているGDPナウ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、2024年第1四半期の成長率予測を指数発表前時点の3.0%から2.1%へ大きく鈍化させた。

ISM非製造業景況感指数は、52.6と前月(53.4)より0.8ポイント低下したが、基準値の50を上回った。ブルームバーグによる市場予想の53.0は下回った。

項目別にみると、ビジネス活動(57.2)、新規受注(56.1)ともに前月を上回り、好調を維持している。業種では、宿泊・フードサービス、金融・保険、ヘルスケアサービスなどが両指数の上昇を報告している。

他方、雇用については48.0と前月(50.5)より2.5ポイント低下し、基準値である50を下回った。減少した業種は娯楽、金融・保険、小売り、情報などで、求人数が比較的低調な業種が、引き続き雇用について慎重な姿勢を見せていることが示唆された。

(加藤翔一)

(米国)

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