ジェトロが「コートジボワール・産業高度化ミッション」派遣
(コートジボワール、日本)
アビジャン発
2024年03月19日
ジェトロは2月26~28日の3日間、「コートジボワール・産業高度化ミッション」を同国最大都市のアビジャンに派遣した。今回のビジネス・ミッションには、設備機器、食品、情報通信技術(ICT)、商社、金融・保険など、コートジボワールの市場開拓に関心を持つ日本企業など合計26社の計33人が参加した。
26日の政府セッションでは、ニアレ・カバ経済・計画・開発相が出席し、コートジボワール政府が「2021~2025年国家開発計画(PND)」の枠組みで取り組んでいる施策やプロジェクトの概要について、ミッション参加者は説明を受けた。同相は、プログラム期間中の総費用59兆CFAフラン(約14兆7,500億円、1CFAフラン=約0.25円)のうち74%を民間部門から調達することを見込んでいるとし、より多くの民間企業の参画に期待を示した。特に日本企業に対して関心を持つ分野として、デジタル技術を活用したアグロ・インダストリーの高付加価値化、再生可能エネルギー技術を活用した気候変動対策、通信ネットワーク技術、物流インフラの整備などを示し、開発計画を推進するプロジェクトとして奨励した。午後には、アビジャンを本拠地とするアフリカ開発銀行とプロジェクト形成に向けた意見交換を行った。
27日のコートジボワール政府・財界とのセミナーでは、投資促進庁のソランジュ・アミシア長官が投資優遇措置や法制度、安定したビジネス環境などを紹介し、民間投資を呼び込むための政府の強い意欲とコミットメントをアピールした。続いて、日本企業と、コートジボワール企業総連合のメンバーなど100社を超える現地企業との個別商談会やネットワーキングを実施し、活発なビジネス交流を行った。日本大使公邸での懇親会では、通信相をはじめ3閣僚も来賓として参加し、コートジボワール政府・企業、国際機関関係者と和やかな雰囲気で対話、交流を深めた。
28日の産業視察では、西アフリカ地域で最大の貨物取扱量を誇るアビジャン自治港を訪問後、関心分野別に分かれて、ソトラ・インダストリーズのバス組立工場と、GOS(Groupement Orange Services)のデータセンター、アビジャンの南東30キロにあるグランバッサム市の経済特区(Vitib、注)に入居する製薬メーカーのアフリキュールなど2社を訪れた。その後、アフリカ各国で産業エコシステムを開発するアライズ統合産業プラットフォーム(ARISE IIP)を建設中のPK24工業団地を訪問し、プロジェクトの説明を受けた。最後に、日本から原材料・資材を調達する鉄鋼資材メーカーのSOTRAL-CIと、チョコレートメーカーのセモアなどヨプゴン工業団地に入居する企業2社を訪れた。
(注)バイオテクノロジー、ICT、金融、高付加価値サービスなどの業種を対象に、法的・税制面の優遇措置を整備している経済特区
(渡辺久美子)
(コートジボワール、日本)
ビジネス短信 61aaa24f162031e8