フランスバイヤーが鹿児島県内の焼酎蔵元を訪問

(鹿児島、フランス)

企画部国内事務所運営課

2024年03月21日

ジェトロは、フランスから焼酎に関心の高いバイヤー2社を招聘(しょうへい)し、3月10日から14日の5日間で鹿児島、熊本、宮崎の3県を巡る「フランス向け焼酎輸出拡大事業」を実施した。生産現場での関係者との直接面談や生産工程の視察を通じて、効果的な商談を実施し、焼酎のフランス向け輸出拡大を目指す狙いだ。

10日から11日の2日間は、鹿児島県内の蔵元4蔵を訪問。バイヤーが事前に商品を試飲して選定した蔵元へ足を運び、生産工程の視察と商談を行った。バイヤーは芋焼酎や黒糖焼酎を造る各蔵元で、製造の歴史から原材料、価格、ラベルのデザインに至るまで細かく確認し、複数の銘柄を試飲した上で、フランスでの販売の可能性を模索した。

写真 焼酎の蔵元の生産工程視察(ジェトロ撮影)

焼酎の蔵元の生産工程視察(ジェトロ撮影)

写真 蔵元の説明を聞くフランスのバイヤー(ジェトロ撮影)

蔵元の説明を聞くフランスのバイヤー(ジェトロ撮影)

フランスからのバイヤーの訪問に先立ち、事業に参加する蔵元に対しては、ジェトロから、現地マーケット情報の説明会を実施。説明会では、フランスの複数のバーで焼酎を使ったカクテルが提供されており、市場が徐々に拡大しつつあることを説明したほか、フランスの食生活や日本との嗜好(しこう)性の違いにも触れ、バイヤーに対する商品の有効な説明方法なども解説した。

国税庁による酒類の輸出動向PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2023年の日本の酒類輸出額は約1,350億円と、過去最高だった前年に次ぐ水準。このうち焼酎の輸出額は16億4,100万円で、全体に占める割合としては1.2%余り。酒類の品目別にみると、焼酎の輸出額はウイスキー、日本酒、ビール、リキュール、ジン・ウォッカに次いで6番目の金額で、上位2位を占めるウイスキーと日本酒の輸出額がそれぞれ、501億2,000万円、410億8,200万円であることに鑑みると、焼酎にはまだまだ認知度向上や輸出額拡大の余地があるといえる。

今回の蔵元視察と商談では、バイヤーからサンプル送付の提案を受けた蔵元もあり、今後の焼酎の輸出拡大に期待が高まる。

(寺園和斗、松本晏奈)

(鹿児島、フランス)

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