旧日産・現代サンクトペテルブルク工場で自動車生産が開始、中国車が影響力を拡大

(ロシア)

調査部欧州課

2024年03月26日

ロシアでは、撤退した西側企業の旧自動車工場で、新ブランド車の生産開始が続いている。「自動車工場AGR」は3月11日、現代自動車の旧サンクトペテルブルク工場を活用し生産された新ブランド「ソラリス」の出荷を開始した。現代は2023年12月19日、2022年3月以来操業を停止していた同工場の売却について発表していた。

このほか、ロシアの乗用車最大手アフトワズが3月13日、サンクトペテルブルクにある日産自動車の旧工場で生産する新ブランドXcite X-Cross 7を発表した(ベドモスチ3月13日)。同紙によると、外観および技術面において、この新型車はミドルサイズのクロスオーバー、チェリー(奇瑞汽車)のTiggo 7 Proを完全にコピーしているという。

中国車の技術を取り入れる例のほかに、乗用車新車販売そのものにおいても、中国車の影響力は強まりを見せている。自動車調査会社アフトスタトが2024年1月に発表したレポートによると、ロシアにおける2023年の乗用車新車販売台数は前年比69.0%増の105万9,000台だった。ブランド別にみると、首位はロシア地場のラーダ(アフトワズ)で、32万4,000台だった(前年比85.7%増)。2~7位は中国ブランドが占めた。2位にチェリー(奇瑞汽車)(11万9,000台、前年比3.0倍)、3位にハバル(長城汽車)(11万2,000台、3.3倍)、4位にジーリー(吉利汽車)(9万4,000台、3.5倍)などが続き、ロシアにおける新車販売において中国車の影響力が高まっている。

(後藤大輝)

(ロシア)

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