ベンガルールの水不足、懸念される経済活動への影響

(インド)

ベンガルール発

2024年03月26日

インドのベンガルール地域で深刻化する水不足により、域内企業への影響が出始めている。背景として、エルニーニョ現象により、1973年の記録開始以来、2023年の降雨量が最小だったことが影響している。

一部の多国籍IT企業における従業員へのリモート勤務の推奨や、給水タンクからの飲料水を確保するため、業務時間中の一時離席を特別に許可している事例なども多数報道されている(「ヒンドゥー」3月23日、「ヒンドゥスタン・タイムズ」3月11日など)。1万6,000社の企業が立地するピーニャ地区のピーニャ工業会のアリフHM会長は「州政府が産業用水としてリサイクル処理された水の供給を約束してくれているが、処理施設の入札が始まったばかりで、提供は来年になる見込みだ。当面は給水車から必要な水を確保するよりほかに方法がない」と、ビジネスへの長期的な影響を懸念する。

ベンガルールでは、飲料水と工業用水を合わせ1日に必要な総水量は26億リットルとされる。そのうち、14億5,000万リットルはカウバリー川、6億5,000万リットルは井戸から供給されている中、不足分は5億リットルに上る。渇水対策として州政府は55億6,000万ルピー(約100億円、1ルピー=約1.8円)を充当しているが、シッダラマイア州首相は2024年度の予算演説の中で、2024年5月までに120万人に対し、新規に1日当たり110リットルを提供するカウバリー川第5フェーズのプロジェクトを発表した。加えて、2024年12月までに228キロにわたる地下排水管と新規下水施設13カ所を整備する計画も発表した。

ベンガルールではこれから夏本番の季節が到来するが、水不足によるビジネス活動と市民生活への影響の拡大が危惧される。

(大野真奈)

(インド)

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