中国向け食肉輸出認定施設が38カ所増加

(ブラジル、中国)

サンパウロ発

2024年03月18日

ブラジルの農業・畜産省(MAPA)は3月12日、中国政府により新たに38カ所の食肉加工施設、牛の食肉解体施設24カ所、牛肉の熱処理施設1カ所、鶏の食肉解体施設8カ所、冷蔵倉庫5カ所(注1)が中国向け輸出認定施設に追加されたと発表した(注2)。一部の施設は2023年12月にブラジル国内で中国政府の査察を受け、残りの一部の検査は2024年1月にリモートで実施された。

カルロス・ファバロ農業・畜産相は、3月12日付MAPA公式サイトで「これは両国にとって重要なことだ。中国は国民のために質の高い食肉をお得な価格で確保できる。一方、ブラジルでは、雇用創出、新たなビジネスの機会、そして経済成長が期待される」と述べた。ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)も認定施設の増加を歓迎している。ABPAの市場担当ディレクターのルイス・ルア氏は、3月12日付ABPA公式サイトで「今回の認定発表によってブラジルの中国向けの輸出が伸びると期待できる。中国という重要な市場に初輸出を試みる新たな企業が増加する」と説明した。

アンチダンピング措置の更新終了

中国は、2019年からブラジルの鶏肉輸出に適用されていたアンチダンピング措置の更新不履行を通知した。輸出企業に応じて17.8%から34.2%の課徴金を課していたこの措置は、2024年2月17日に効力を停止している。今までは、輸出認定食肉加工施設があっても、生産者はアンチダンピング措置の課税のために効果的な競争できていなかった。この措置により、ブラジル産鶏肉輸出は中国市場での競争力が高まり、他のブラジルの生産者にも機会が生まれた。

中国はブラジルの牛肉、鶏肉、豚肉の輸出相手国として1位を占める。ブラジル牛肉輸出業協会(ABIEC)によると、2023年には、ブラジルは119万6,104トンの牛肉を中国に輸出した。また、ABPAによると、2023年には、ブラジルは68万2,500トンの鶏肉、38万8,600トンの豚肉を中国に輸出した。

(注1)冷蔵倉庫5カ所の内訳は、牛肉用1カ所、鶏肉用3カ所、豚肉用1カ所。

(注2)MAPAによると、これまでに、ブラジル国内106カ所の食肉加工施設(鶏肉47カ所、牛肉41カ所、豚肉17カ所、ロバ肉1カ所)が中国により輸出認定されていた。

(エルナニ・オダ、中山貴弘)

(ブラジル、中国)

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