香港政府、経済発展寄与を目的としたメガイベント誘致に注力

香港特別行政区（以下、香港）政府は1月26日、2024年上半期に開催予定のメガイベントおよび政府によるメガイベント経済推進活性化策を発表した。

黃偉綸（マイケル・ウォン）財務副長官は記者会見で、経済発展に寄与する国際的なイベントを積極的に香港に招致する方針を明らかにした。上半期には、文化芸術、体育、経済、貿易、金融など多岐にわたる80以上のメガイベントを開催予定で、合計150万人以上の観光客が香港を訪れる見込み。主要なイベントは、「チャビー・ハーツ」の展示（注1）、香港武俠小説家の金庸氏の小説に登場するキャラクターの彫刻の展示（注2）および「コンプレックスコン」の開催（注3）だ。

同会見では、メガイベント開催の誘致実施に向けて、関係部局の代表者で構成される調整部門の設置も公表した。同部門は、各関係部署との緊密なコミュニケーションと連携を確保し、ライセンス発行や公共交通機関の混雑対策などイベント開催に関わる支援措置を提供する。また、公共放送局の香港電台（RTHK）は、2月末から広東語、英語、北京語の3カ国語でメガイベントを紹介する宣伝番組を毎日放送する予定だ。

海外アーティスト招致に向けてライブ会場を新設

また、香港はイベント会場の新設にも取り組んでいる。2023年は、屋外イベント会場2カ所（最大収容数はそれぞれ1万人と2万人）を新設した。2024年末には九龍カイタックの屋内イベント会場が竣工（しゅんこう）予定で、メイン会場の最大収容数は5万人、サブ会場の最大収容数は1万人。海外アーティストのライブ開催招致に有利な環境を整えつつある。

（注1）英国のデザイナーのアニヤ・ハインドマーチ氏（Anya Hindmarch）の名作、直径12メートルの巨大な赤いハートが展示される予定。

（注2）金庸氏は、香港を代表する武侠文学者。中国の著名彫刻家である任哲氏とコラボレーションを行い、楊過、小龍奴、郭京など、人気の登場キャラクターの彫刻が展示される予定。

（注3）最も影響力のあるブランドやアーティストが集まれる世界最大級のポップカルチャーの祭典。米国外での開催は初めて。

〔何樂晴（エスター・ホー）〕