イラン外相がパキスタン訪問、テロ対策協力や国境市場開設で合意

(イラン、パキスタン)

テヘラン発

2024年02月01日

イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相は1月28日、パキスタンを訪問し、翌29日にパキスタンのジャリール・アッバース・ジラーニ外相らと会談した(1月29日付イラン外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

アブトゥラヒヤーン外相は共同記者会見で、イランとパキスタンは近年、テロとの戦いで多くの犠牲者を出しており、両国の国境付近で活動しているテロリストは第三者からの支援を受けているとした。その上で、イランは隣国パキスタンの安全を自国と地域の安全と考えていると強調し、両国はテロリストが両国関係や国境の安全を損なうことを決して許さないと述べた。同外相はまた、パキスタンがイランのイブラーヒーム・ライーシー大領統を公式に招待したとし、両国は同大統領の「友好的で兄弟的なパキスタン」への訪問を実施することに協力することで合意したと発表した。

パキスタンのジラーニ外相は、両国関係は地域の平和と安定にとって重要な源とし、2国間の問題について詳細に議論できたとした。同外相は、両国が政治・安全保障関係を発展させていく決意を強調し、テロの脅威は両国の共通の課題であり、両国の領土保全を原則として、テロに対処するために協力して集団的なアプローチをとると述べた。また、両国は経済と国境問題に関して必要な協力を行うことで合意し、2023年4月の国境市場の解放、送電線の開通は両国の関係強化を意図したものだったが、今回、さらに5つの国境市場を開設することで合意したと述べた〔1月29日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

アブトゥラヒヤーン外相はその後、パキスタンのアンワールル・ハック・カーカル首相とも会談し、政治、経済、安全保障で両国の関係を発展させる決意だと強調した。カーカル首相は両国間の合意を歓迎し、合意をフォローアップするためにさまざまな作業委員会の設立を提案した(1月30日付イラン外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、パキスタン)

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