外国製新車販売が急増、市場シェア12%

(ウズベキスタン)

タシケント発

2024年02月21日

ウズベキスタン大統領府付属統計庁の発表(2月12日)によると、1月1日時点の同国の乗用車登録台数は約376万台で、前年比10.7%増加した。同国の人口1,000人当たりの乗用車保有台数は98台となった。

同国の自動車市場を分析する経済研究改革センターによると、2023年に国内で販売された乗用車の新車台数は37万9,631台で、2022年比32.7%の伸びを示した。最大の市場シェアは依然として国産車で、市場シェアの87.6%(約33万3,000台)、国営のウズオートが圧倒的な地位を占めている。シボレー・ブランドの自動車を販売する同社は国内外で約37万台を販売した(同社発表1月25日)。

統計庁によると、起亜(韓国)、奇瑞やハバル(いずれも中国)ブランドの組み立てを行うエイ・ディ・エム・ジザクは2023年に約2万5,000台(奇瑞:9,829台、起亜:1万5,036台、ハバル:134台)を組み立て、販売台数を前年比3倍に伸ばした。また、2023年にはウズベキスタン中部シルダリヤ州にあるアサカ・モータースの新工場で、中国ブランド「エクシード」の乗用車91台が組み立てられ、市場に投入された。

外国製乗用車の新車販売台数も急増した。ニュースサイト「Anhor.uz」(1月18日)によると、2023年の輸入車販売台数は前年比2.4倍の4万6,000台で、新車市場の12%を占めた。2023年の乗用車輸入台数は7万3,204台、うち79.3%が中国、15.7%が韓国から輸入された。2023年に日本からウズベキスタンに輸入された乗用車は419台で、2022年実績の2.7倍だった(「Gazeta.uz」2月6日)。

輸入の増加は、一部の乗用車輸入関税の引き下げ(注)、2023年1月1日からの非正規ディーラーや個人による輸入許可、自動車ローンの普及、人口増や経済成長などが背景とみられる。

写真 アサカ・モータース工場(シルダリヤ州シルダリヤ市、ジェトロ撮影)

アサカ・モータース工場(シルダリヤ州シルダリヤ市、ジェトロ撮影)

(注)2022年2月以降、ウズベキスタンの自動車関税は30%から15%へ引き下げられ、2023年1月1日からはエンジン容積に応じた関税の追加係数が1立方センチ当たり16.7~50%引き下げられた。ただし、新車と認められるのは、ウズベキスタンでの通関時に製造から1年以内のものだけとなった(以前は3年以内)。2023年6月17日から2026年1月1日まで、エンジンシリンダー容量が1,000立方センチ以下と1,200立方センチ以下の小型車の関税率が従来の15%から、それぞれ0%と5%に引き下げられた。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン)

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