英内相、移民削減に向けた計画の導入時期を発表

(英国)

ロンドン発

2024年02月01日

英国のジェームズ・クレバリー内務相は1月30日、12月4日に発表した移民流入の抑制に向けた計画の導入時期を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2023年12月8日記事参照、詳細は英国政府ファクトシート参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。各措置の概要と導入時期は次のとおり。

  • ケアワーカーとシニアケアワーカーの扶養家族の英国への帯同制限。また、移民を雇用するケアサービス提供事業者に対するケアクオリティー委員会(Care Quality Commission)への登録義務化:2024年3月11日。
  • 不足職業リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載している職種のビザ発行に当たって、職業別の最低給与額を20%引き下げる制度の終了などを盛り込んだ新移民制度の発表:2024年3月14日。
  • 技能労働者ビザ(Skilled Worker visa)の最低給与額の年間3万8,700ポンド(約720万円、1ポンド=約186円)への引き上げ:2024年4月4日。
  • 家族ビザ申請に必要な最低年間所得の段階的な引き上げの開始:2024年4月11日。

家族ビザの最低年間所得の引き上げについては、12月4日の発表では、1万8,600ポンドから3万8,700ポンドに引き上げるとされていたが、急激な引き上げに対する国内の批判を受け、段階的な引き上げに変更した。具体的には、初回の引き上げで2万9,000ポンドへと引き上げ、その後、2025年初頭をめどに3万8,700ポンドまで引き上げる。

また、4月以降、不足職業リストに代わって導入する予定の移民給与リストについても、3月中に移民助言委員会(MAC)が提言を発表するとした。

このほか、2月1日時点で中東諸国の国籍者(注)に対して導入している電子渡航認証(ETA)を2024年中に英国への短期滞在にビザを必要としない全ての国からの渡航者に義務づけることにも触れた。これにより、ビザが不要な短期滞在者、そのほか別段の英国のビザステータスを持たない者は、渡英前にオンラインまたはアプリでの申請が必要となる(詳細は英国政府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

発表ではさらに、1月31日からビジタービザで英国に入国する者に認められる活動が拡大したことについても触れている(詳細は英国政府ウェブサイト参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

(注)カタール、バーレーン、ヨルダン、クウェート、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の国籍者。

(山田恭之)

(英国)

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