12月の輸出入、3カ月連続で前年同月比プラス

(香港)

香港発

2024年02月05日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処が1月25日に発表した貿易統計によると、2023年第4四半期(10~12月)の貿易額は、輸出が前年同期比6.6%増の1兆1,518億7,200万香港ドル(約21兆8,856億円、1香港ドル=約19円)、輸入が7.0%増の1兆2,651億9,900万香港ドルだった。輸出、輸入とも2023年第3四半期まで続いていた減少から増加に転じた(添付資料表参照)。12月単月では、輸出が前年同月比11.0%増の3,864億3,180万香港ドル、輸入が11.6%増の4,462億9,370万香港ドルだった(添付資料表、図参照)。輸出、輸入とも3カ月連続でプラスとなり、増加幅が拡大した。12月の貿易収支は598億6,190万香港ドルの赤字で、23カ月連続の赤字だった。

主要国・地域別に輸出の動向をみると、12月単月では、最大の輸出先の中国本土が前年同月比8.4%増、日本が9.1%増だったほか、米国(25.6%増)、インド(46.1%増)、台湾(39.1%増)、ベトナム(26.5%増)などは軒並み2桁増となった。一方、韓国(24.0%減)、シンガポール(8.2%減)、マレーシア(11.6%減)、フィリピン(11.2%減)などはマイナスだった。輸入は12月単月で、最大の輸入元の中国本土が前年同月比13.4%増、ベトナム(77.9%増)、韓国(42.3%増)、米国(15.4%増)などが2桁増となり、日本も4.4%増だった。一方、ASEAN10カ国の中でもシンガポール(11.1%減)、フィリピン(25.4%減)、マレーシア(8.3%減)などはマイナスだった。

香港政府報道官は輸出の状況について、「12月は、比較基準となる前年同月が低水準だったため、増加を記録した。中国本土と米国向けが大幅に増加し、EUも小幅ながら増加した。他の主要なアジア地域も状況はまちまちだった」と指摘した。今後の見通しについては「地政学的な緊張の高まりと世界経済の成長鈍化などの要因は、短期的には香港の輸出の伸びに引き続き重くのしかかるだろう」との見方を示した。

(山口雅史)

(香港)

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