2023年の貿易額は14年ぶり前年割れも、9月以降は回復傾向
(ベトナム)
ハノイ発
2024年02月01日
ベトナム税関総局によると、2023年の輸出は3,546億7,130万ドル(前年比4.6%減)、輸入は3,263億7,385万ドル(9.2%減)で、貿易収支は282億9,745万ドルの黒字だった。世界的な景気減速などの影響により、輸出入ともに前年を下回る結果となった。ベトナムの貿易額が前年割れとなったのは2009年以来、実に14年ぶりだ。この間、外国企業の製造拠点の進出や経済成長と相まって、貿易額は右肩上がりで伸長していた。なお、月別にみると、1~8月(2月を除く)は前年同月比がマイナスだったが、9月以降はプラスに転じた(添付資料図参照)。
2023年通年の貿易を主要国・地域別にみると、輸出は1位の米国が970億2,018万ドル(前年比11.3%減)と2桁台の落ち込みとなった。2位の中国は612億777万ドル(5.6%増)、3位の韓国は234億9,853万ドル(3.3%減)だった(添付資料表1参照)。需要停滞を背景とした米国向け輸出が伸び悩む一方、中国向けは同国が2023年1月に新型コロナウイルス防疫緩和の関連措置を講じたことなどを背景に増加した。
輸入は、1位の中国が1,106億4,462万ドル(前年比6.6%減)、2位の韓国が525億1,133万ドル(15.6%減)、3位の日本が216億3,844万ドル(7.5%減)と続いた(添付資料表2参照)。
対世界輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は電話機・同部品、3位は機械設備・同部品だった(添付資料表3参照)。上位10品目中、1位のコンピュータ電子製品・同部品(前年比3.2%増)をはじめ4品目が増加した。2位の電話機・同部品(9.7%減)は、ベトナムを主な製造・輸出拠点としている韓国のサムスンによるスマートフォンの生産台数減少に伴うものとみられる。8位の水産品は、他国との競合による価格下落などを背景に、17.8%減少したが、11位の果物・野菜(66.7%増)、13位のコメ(35.3%増)などの農産品は大きく輸出額が増加した。中国向けドリアン輸出の急伸や、インドによるコメ輸出禁止などが要因だった。
輸入は、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が織布・生地だった(添付資料表4参照)。上位10品目中、1位のコンピュータ電子製品・同部品(7.4%増)を除く9品目が軒並み減少した。特に6位の電話機・同部品(58.6%減)の減少が顕著だった。
(山梨彰彦)
(ベトナム)
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