カザフスタンでベクテノフ首相率いる新内閣が発足

(カザフスタン)

タシケント発

2024年02月09日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は2月6日、新内閣閣僚を任命する大統領令に署名した(大統領府ウェブサイト2月6日)。

首相には、大統領府長官だったオルジャス・ベクテノフ氏が就任した。主要閣僚の多くは留任し、財務相、保健相、非常事態相、国民経済相の4ポストで交代があった。財務相には最大与党アマナトの党員で下院財政予算委員長のマディ・タキエフ氏、保健相には上院議員のアクマラル・アリナザロワ氏、非常事態相には国家保安局副局長のチンギス・アリノフ氏、副首相兼国民経済相には政府系ファンド・バイテレク・ホールディングス会長のヌルラン・バイバザロフ氏が就任した(添付資料表参照)。

2月7日に開催された政府拡大会議で、トカエフ大統領は、前内閣が一定の成果をあげたことを評価しつつも、経済改革をさらに加速させる必要があると強調した。オルジャス・ベクテノフ内閣に対し、a.所得と資産に対する新たな課税システムの構築と国家予算の効率的で適切な配分、b.投資誘致の環境整備、c.民営化に向けた包括的経済自由化、d.国内の産業発展促進のための業界と投資家向けガイドラインの作成、e.農業生産性向上へ農業への融資拡大と補助金の効率的給付、全国規模の節水技術の導入、f.公益事業とエネルギーインフラの近代化、g.運輸・物流分野の潜在力強化へ道路・鉄道の早期整備、h.デジタル化の促進と、人工知能(AI)技術の幅広い導入、i.医療保険制度の簡素化と効率化など、経済と社会の幅広い分野で課題への取り組みを指示した。

同大統領は会議に参加した閣僚と地方行政長官に対し、「形式主義、官僚主義的な役所仕事をやめなければならない」「上からの指示や国民の苦情、状況の悪化を待たずに、自発性と独立性をもって課題に取り組まなければならない」「目に見える成果を得るには、問題の迅速な解決と経済発展の長期ビジョンを組み合わせた体系的アプローチが必要」などと述べた(大統領ウェブサイト2月7日)。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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