バングラデシュの腐敗認識指数ランキング、2ランク後退の149位に

(バングラデシュ)

調査部アジア大洋州課

2024年02月07日

世界各国の腐敗や汚職を監視する国際的なNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International:TI)」は1月30日、「2023年度腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index:CPI、注1)ランキング」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バングラデシュは180カ国・地域中、149位(南アジア地域では8カ国中7位、注2)となり、2022年の147位から2ランク後退した。

同国のスコアは100点満点で24点で、2012年以降の12年間で最も低いスコアだった。全体的な平均スコア43よりはるかに低く、腐敗が「非常に深刻な問題」とされる国々のグループに分類された。

TIは、バングラデシュで腐敗度が進行している要因として、汚職を許さないという公約「ゼロ・トレランス」を実践に移す戦略的な取り組みが見られなかったことを挙げ、貸し倒れやマネーロンダリングといった銀行部門の脆弱(ぜいじゃく)性にも対処できていない現状に言及した。その上で、国家機関の脱官僚化を促し、公平さを向上させ、公共サービスや行政、司法機関を党派や政治、官僚的影響から解放する重要性を訴えた。

TIは、バングラデシュが地位や身分に関係なく汚職者を裁くことで、CPIのスコアを向上させることができるとし、メディア、市民社会、一般の人々が汚職に異議を唱え、情報を開示し、報告・コメントすることを提案している。

(注1)クリーン度を100点満点とし、点数が高いほど汚職が少ないことを表す。賄賂、公権力の乱用、公的サービス分野での縁故主義、利益相反防止・情報開示などに向けた法制度の有無などの基準に基づき、公的部門の腐敗度について、0(極めて腐敗している)から100(極めてクリーン)までで指数化している。

(注2)TIの区分では、アフガニスタン、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブの8カ国を指す。

(寺島かほる)

(バングラデシュ)

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