12月の小売売上高は前年同月比7.8%増、2023通年は16.2%増

(香港)

香港発

2024年02月13日

香港特別行政区政府統計処は2月1日、2023年の12月と通年の小売売上高(速報値)を発表した。12月の小売売上高(速報値)は前年同月比7.8%増の363億3,000万香港ドル(約6,903億円、1香港ドル=約19円)で、13カ月連続で前年同月比プラスとなった(添付資料図参照)。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比29.7%減の28億4,400万香港ドルで、小売売上高全体の7.8%を占めた。

品目別にみると、増加幅が最大だったのは「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比50.1%増の54億6,300万香港ドルだった。「その他消費財」を除いて次に増加幅が大きかったのは「衣類、靴および関連製品」で、18.3%増の46億2,400万香港ドルだった。一方で、減少幅が最大だったのは「耐久消費財」で、前年同月比17.4%減の59億600万香港ドルだった。「燃料」は12.0%減の7億9,300万香港ドルと、9カ月連続でマイナスになった。「食品、酒類、たばこ」(注1)は1.6%減の32億7,800万香港ドルとなった。

業態別にみると、「百貨店」は4.6%増の32億6,600万香港ドルと増加した。「スーパーマーケット」(注2)は6.3%減の41億9,200万香港ドルだった(添付資料表参照)。

香港小売管理協会の謝邱安儀首席は「12月の小売売上高は依然として際立ったものではない」と言及した上で、「その主な要因は、香港を訪れる中国本土の観光客数とその購買力が予想を下回っていることにある。下半期は香港市民が買い物や娯楽のため中国本土に向かった」と指摘した(「信報」2月2日)。

2023年通年の小売売上高(速報値)は前年比16.2%増の4,066億5,200万香港ドルと発表した。このうちオンライン販売額は8.0%を占め、前年比5.9%減の325億2,900万香港ドルだった。

品目別でみると、増加幅が最大だったのは「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年比54.9%増の601億4,300万香港ドルだった。次に増加幅が大きかったのは「衣類、靴および関連製品」で、41.3%増の491億6,500万香港ドルだった。

一方で、「燃料」は9.7%減の104億4,800万香港ドル、「耐久消費財」は1.5%減の661億400万香港ドルだった。

業種別にみると、「百貨店」は12.4%増の351億7,600万香港ドルと増加した一方、「スーパーマーケット」は、5.7%減の511億5,700万香港ドルと減少した(添付資料表参照)。

香港政府報道官は今後の見通しについて、「観光客の収容能力の回復が継続するにつれて、観光客数はさらに増加が見込まれる。家計所得の上昇も域内消費に好影響を与えるだろう。これらは、メガイベントの推進や「デー・ナイト・バイブス」(注3)の活動とともに、小売業を下支えするだろう」と述べた。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(注3)1月28日に公表された域内消費行動喚起を促進するための活動。今後5カ月間にわたり域内18区でイベントなどを展開予定。

(松浦広子)

(香港)

ビジネス短信 83c7a70f319aca6d