2023年第4四半期のGDP成長率は4.3%、通年では3.2%

(香港)

香港発

2024年02月09日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は1月31日、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比で4.3%と発表した(添付資料図参照)。4四半期連続のプラス成長となり、前期から0.2ポイント上昇した。

第4四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は前年同期比3.5%増で前期(6.2%)より2.7ポイント低下した。政府消費支出は5.2%減となり、前期(4.0%減)よりマイナス幅が1.2ポイント拡大した。固定資本形成は15.7%増と、前期(21.8%)より6.1ポイント低下。財輸出は2.8%増、財輸入も3.9%増となり、いずれも前期(財輸出8.7%減、財輸入6.1%減)からそれぞれ11.5ポイント、10.0ポイントと2桁台の大幅改善となった。一方、サービス輸出は22.1%増、サービス輸入も27.4%増で、いずれも前期(サービス輸出23.2%増、サービス輸入28.9%増)からそれぞれ1.1ポイント、1.5ポイントと小幅に低下した。

また、香港政府統計処は、2023年通年の実質GDP成長率を3.2%と発表した。2022年(マイナス3.7%)から6.9ポイント回復した。

2023年通年を需要項目別にみると、個人消費支出は7.4%増と、前年(2.2%減)から9.6ポイント改善した。政府消費支出は4.3%減で、前年(8.0%増)から12.3ポイント低下。固定資本形成は10.6%増と、前年(7.4%減)から18.0ポイント改善。また、財輸出は10.3%減、財輸入も8.5%減となり、いずれも前年(財輸出14.0%減、財輸入13.2%減)よりマイナス幅が改善した。サービス輸出は21.2%増、サービス輸入も26.0.%増と、いずれも前年(サービス輸出0.5%減、サービス輸入1.2%減)から大幅に改善した。

2024年も財輸出が圧迫される見通し

香港政府報道官は2023年第4四半期の香港経済の回復要因について、「主にインバウンド観光と個人消費が引き続き牽引した結果」との見方を示した。2023年通年の香港経済については、「中国本土および世界各国からの観光客が回復したことにより、サービス輸出は力強い回復を見せた。また、家計所得の上昇や、さまざまな政府支援策が下支えとなり、防疫措置解除後に個人消費は顕著に増加した。全体的な投資支出は景気回復に伴い増加に転じたものの、厳しい外部環境の中で財輸出は減少した」と振り返った。同報道官は、2024年の香港経済は「厳しい外部環境が引き続き財輸出を圧迫するだろう」と指摘しつつも、「先進国経済において期待どおり利下げが行われれば、経済状況は年後半には安定するかもしれない」と述べた。

なお、香港政府は2月28日の2024~2025年度予算案の公表時に合わせて、2023年第4四半期と2023年通年の実質GDP成長率の詳細と2024年のGDP予測値を公表する。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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