サウジアラビア投資省、同国初の直接投資報告書を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2024年02月06日

サウジアラビア投資省(MISA)は1月31日、「サウジアラビア直接投資報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同国政府が国際標準とされるIMF国際収支マニュアルに基づく直接投資統計を公表するのは初めて。

同国は国家改革「ビジョン2030」の中で「2030年までに対内直接投資額をGDP比5.7%、GDPに占める民間部門の寄与を40%から65%にそれぞれ増やし、G20諸国で上位15カ国に入る」ことを目標としている。新たな統計書は同目標実現に加え、直接投資データの品質と透明性、ガバナンス改善に資することが期待されている。同資料の作成については、サウジアラビア総合統計庁(GASTAT)が2023年11月30日、IMFと協議の上、MISAとサウジアラビア中央銀行(SAMA)と協力し、新たな集計方法を導入することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた(注1)。

業種別、投資先地域別、国・地域別データも公表

報告書によると、2022年のサウジアラビアの対内直接投資額(ネット、フロー)は前年比21%の1,050億リヤル(約4兆2,000億円、1リヤル=約40円)で、G20諸国で10番目の受け入れ額だった。同年の対内直接投資額(グロス、フロー、注2)を業種別にみると、「輸送・倉庫」が522億リヤルで最大、「製造業」が412億リヤルで続いた。投資先地域別では、東部州が907億リヤルで最大、リヤド州が224億リヤルで続いた。国・地域別にみると、EU加盟国からの直接投資が59%を占め、米国(7%)、日本(5%)が続いた。

(注1)IMF国際収支マニュアルを導入した新集計方法について、国連貿易開発会議(UNCTAD)は世界銀行とともに国際基準に従ったものと既に承認している。

(注2)新規投資動向を優先するため、業種別、地域別、国別統計データはグロス値を採用。

(秋山士郎)

(サウジアラビア)

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