100回目の米農務省・農業アウトルック・フォーラム開催、2024年農業所得は前年比24%減見込み

(米国)

シカゴ発

2024年02月28日

米国農務省(USDA)は2月15~16日、首都ワシントン近郊で「農務省・農業アウトルック・フォーラム(USDA Agricultural Outlook Forum)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催した。同フォーラムはUSDAが毎年開催しており、2024年で100回目となる。米国をはじめとして世界中から1,700人が参加した。「未来を開拓する(Cultivating the Future)」をテーマに、「2024年の米国農業所得の見通し」「米国農産物輸出の多様な機会増進」など30近くのセッションが行われた。

「2024年の米国農業所得の見通し」のセッションでは、2024年の農業所得が農業現金所得ベースで前年比24.1%減となる見通しで、現金収入4.2%減、直接政府支出15.9%減などが要因として説明された。生産支出は3.8%の増加が見込まれる。

「米国農産物輸出の多様な機会増進」のセッションでは、キャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表がスピーチを行った。また、トム・ビルサック米農務長官、メアリーケイ・カールソン駐フィリピン大使およびマーク・ナッパー駐ベトナム大使が議論し、バイデン政権の農産物輸出において重視してきたフィリピン、ベトナムでの取り組みについて紹介などを行った。また、アントニー・ブリンケン国務長官がビデオメッセージを寄せ、食料問題は安全保障の問題であること、科学に基づく規制が重要であるとの演説のほか、2021年から2023年まで3年連続で農産物輸出の過去最高を記録したとのこれまでのバイデン政権の成果も強調した。

また、2021年にUSDAおよび米国食品安全検査局(FSIS)による意見募集が行われ現時点で基準が策定されていない培養肉の食品表示の在り方や、母豚の飼養基準を満たさない豚肉の販売禁止などを含むカリフォルニア州法第12号の完全施行が消費者に与えた影響といった議題もあった。

(冨樫達也)

(米国)

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