ルーマニア原子力国営企業、原発事業の開発と融資に関してイタリアの企業・団体と覚書締結

(ルーマニア、イタリア、カナダ)

ブカレスト発

2024年02月22日

ルーマニアでチェルナボダ原子力発電所を運転する国営企業、ヌクレアエレクトリカは2月15日、イタリア政府系輸出信用機関SACEおよび同国の原子力発電会社アンサルド・ヌクレアーレと、原子力開発と融資に関する覚書を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。覚書では、チェルナボダ原発の1号炉改修のほか、3号炉および4号炉の新設が対象となる。

アンサルド・ヌクレアーレは、原子力発電所の改修および新設に伴うエンジニアリングおよびプロジェクト管理や、部品・システムの調達、導入、試運転に関するサービスを提案する用意があるとした。またSACEは、3号および4号炉の新設プロジェクトに対する最大20億ユーロの融資を表明した。

ヌクレアエレクトリカによれば、1号炉改修は財源確保や実施準備、承認などが進められ、第2フェーズに入っている。ここまでは、2023年11月にカナダ商業公社(CCC)および同国の原子炉の開発・製造を行うCANDUエナジーと締結した、機器・部品の供給に関する7億8,100万カナダ・ドル(約867億円、Cドル、1Cドル=約111円)の契約により進められているが、改修工事の準備と実施に必要なプロジェクト管理サービスや技術支援に関する枠組みの合意については現在、最終決定中だ。

3号機と4号機は第1フェーズにあり、ヌクレアエレクトリカの子会社でプロジェクト企業のエネルゴニュークリアが2021年11月に再稼働し、技術・法務手続き面でのサポートサービスの契約を進めている。また、プロジェクト継続に必要なエンジニアリングおよび原子力安全に関する文書更新のためのエンジニアリングサービス契約を進めている。

ヌクレアエレクトリカのコスミン・ギタ最高経営責任者(CEO)は「1号機の改修と3号機と4号機の完成により、2031年以降、ルーマニアのクリーンエネルギーの約66%を発電し、年間1,500万トンの二酸化炭素(CO2)を削減することで脱炭素化に大きな影響を与える」と述べた。

(高崎早和香)

(ルーマニア、イタリア、カナダ)

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