オムロン、米サウスカロライナ州に製造拠点設立、ワシントン州から移転

(米国、日本)

アトランタ発

2024年02月15日

米国サウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター知事(共和党)は2月8日、オムロン・オートメーションが同州で初めての生産拠点をスパータンバーグ郡に設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。920万ドルの投資により、5年間で162人の新規雇用を創出する見込みだ。

オムロンは、同州スパータンバーグ郡グリアの工業用地アトラス・アット・インランド・ポート・グリアの6万平方フィート(約5,600平方メートル)の敷地を借り上げ、モーションコントローラーやドライブ、マシンビジョン、バーコードリーダー、バーコード検証システムなど産業オートメーション技術製品の製造施設を建設する予定だ。操業開始は2024年4月を見込んでいる。

オムロンは米州大陸で生産能力の拡大、リードタイム改善、サービス強化に注力するため、ワシントン州レントンの生産施設をサウスカロライナ州へ移転させるとのことだ。同社マネジングディレクターのマーク・サディ氏は「われわれは製造拠点の候補地を徹底的に調査し、将来的なニーズ、競争力のある価格、大切な顧客の期待に最も応えることができる場所を選定した」と説明した。また、同社の社長兼最高経営責任者(CEO)のロブ・ブラック氏は「スパータンバーグ郡に新拠点を設立し、南東部で当社の市場プレゼンスを拡大できることをうれしく思う。この投資により、最先端技術を活用し、高品質なものづくりのための雇用を創出し、地域の成長と繁栄に貢献することができる」と語った。マクマスター知事は「この発表は、先進的製造業の集積地としてのサウスカロライナ州の評判を裏付けるもので、主要な国際的企業が州内に拠点を置くことを後押ししている」と述べた。

同州経済開発調整評議会はこのプロジェクトに関する雇用開発クレジット(注1)を承認するとともに、建物の改良費用を支援するため、経済開発セットアサイドプログラム(注2)の補助金として、スパータンバーグ郡に10万ドルを交付した。なお、日清食品の同州グリーンビル郡での新工場設立に対しても、この雇用開発クレジットと補助金プログラムの適用が発表されている(2023年11月15日記事参照)。

(注1)サウスカロライナ州に事業施設を立地または拡張するコストを相殺するための資金を企業に提供する優遇措置。

(注2)サウスカロライナ州への企業立地や事業拡大を支援する州の補助金プログラム。地方自治体が負担する道路や敷地の改良のほか、企業立地や事業拡大関連費用を補助する。

(横山華子)

(米国、日本)

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