米ソーラーサイクル、ジョージア州での太陽光発電用ガラスの製造施設建設を発表

(米国)

アトランタ発

2024年02月26日

先進技術を活用して太陽電池パネルのリサイクルを行う米国のソーラーサイクルは2月15日、ジョージア州ポーク郡シーダータウンに推定3億4,400万ドルを投じ、太陽光発電用ガラスの製造施設を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社は、既にテキサス州オデッサとアリゾナ州メサで太陽電池パネルリサイクル施設を運営しており、同社によると、同社技術を活用することで、使用済み太陽電池パネルに含まれる銀や銅、シリコンなどの95%をリサイクルできる。今回の新施設は、太陽電池パネルをリサイクルして結晶シリコン(c-Si)の太陽光発電用ガラスを製造する米国内初の施設で、年間5〜6ギガワット(GW)相当の太陽電池パネルに使用されるガラスを製造可能だ。新施設は2024年に着工し、2026年稼働予定で、600人以上の新規雇用を創出する見込みだ。また、製造されるガラスは、米国内の太陽電池パネルメーカーに直接販売される予定だ。

同州選出の連邦議会上院のラファエル・ワーノック議員(民主党)は「この新施設は、太陽電池パネル製造の米国内のリーダーとしての同州の地位を盤石なものにするとともに、米国内での太陽電池パネル製造の強固なサプライチェーンを構築する上で、極めて重要な役割を果たすだろう」と述べた。また、同社共同創業者のスビ・シャーマ最高経営責任者(CEO)は「ジョージア州で太陽電池パネル製造が急成長していることは間違いない。この新施設は、すべて米国で製造されたクリーンエネルギーソリューションを構築するという業界の目標達成に資するものだ」と述べた。

ジョージア州では、韓国財閥ハンファグループ傘下のクリーンエネルギー関連企業ハンファQセルズ(以下、Qセルズ)が同州の施設で太陽電池モジュールの製造を行っており、2024年までに生産能力を年間8.4GW、1日当たりのパネル生産枚数を6万枚まで拡大させる予定だ(2023年1月12日記事参照)。さらに、米国の高効率単結晶シリコン太陽電池メーカーのサニーバも、同州にある太陽電池製造施設のアップグレードと拡張を行い、2024年春に操業再開の予定だ(2023年10月18日記事参照)。なお、ソーラーサイクルは2024年2月12日、Qセルズと提携し、Qセルズが米国で廃棄、所有、設置した太陽電池パネルをリサイクルすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。

(檀野浩規)

(米国)

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