日本のクリーンテック10社がシンガポール訪問

(日本、シンガポール)

横浜発

2024年02月16日

シンガポールの新たなサステナビリティー拠点として、5月に開業を控えるインキュベーション施設「ヴィダ・シティ」がある。同施設はシンガポール企業庁と国土庁の支援の下、循環型経済、食料安全保障、水の安全保障、脱炭素、生物多様性の5つの分野に集中して、起業家支援や教育事業に取り組む予定だ。廃校をリノベーションして造られた同施設は実証実験の場としても活用される予定で、コワーキングスペースや住居スペースは日本を含む外国人起業家も利用可能だ。

シンガポールでのビジネスに関心を持つ日本のクリーンテック10社(注)が12527日、同国を訪問した。ヴィダ・シティのほか、支援機関やインキュベーション施設、現地不動産会社などを訪問した。横浜市や川崎市を中心とする神奈川県内のスタートアップのグローバル展開を支援する目的で、ジェトロが20239月に開始したプログラムの一環で実現したものだ。シンガポールを含む東南アジアの社会課題解決に関心を持ち、世界市場での持続的成長を目指す農業や漁業、製造業、モビリティー、バイオなど幅広い業種のスタートアップ1012人が参加した。

ヴィダ・シティの共同創業者のザック・トー氏は起業家としての自身の知識や経験を基に、シンガポールでの具体的な連携先を提案するなど、訪問したスタートアップ10社に助言した。

写真 (左)シンガポールを訪問した一行、(右)共同創業者のザック・トー氏(ヴィダ・シティ提供)

(左)シンガポールを訪問した一行、(右)共同創業者のザック・トー氏(ヴィダ・シティ提供)

シンガポール企業庁は、多国籍企業が多く集まる同国の特徴を生かし、多国籍企業が抱える課題を提示して、スタートアップが解決策を提案するオープンイノベーションチャレンジの取り組みを紹介。同プログラムへの日本発スタートアップの参加を呼びかけた。その他、訪問団は、不動産大手キャピタランドが主導し、東南アジア初のスマートシティーに特化したラボのスマート・アーバン・コイノベーション・ラボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどを視察した。

参加者からは、「シンガポールの経済状況やスタートアップエコシステムの現状を理解できた」「自社サービスに対する評価が日本よりも高く、ビジネスチャンスを感じた」といった声が上がった。

今回、シンガポールを訪問したクリーンテック10社は次のとおり。

(注)気候変動など環境に関する社会課題解決を目指すスタートアップの総称。

(芥川晴香)

(日本、シンガポール)

ビジネス短信 3d5d1750cf1fe678